裕福とは言えない武家本多家の兄弟「兄上」と「荘十郎」のやさしくて、ちょっと切ない関係を、宝子、由松、トラの視点で描いている、ほのぼの系時代劇です。
トラはお側衆として、父上の由松からいろいろな心得を教わったり、凶悪などんぐりやぢーぢー殿(セミ)から、殿である荘十郎様をお守りしています。
幼少期とあるように、荘十郎が「兄上」の背中におわれた時代から分家して寺子屋の先生を始めるまでが収録されています。
ゲストに船頭さんやタケノコ売り、猫張子を作ってる兄弟とその娘(笑)もちらっとでてきて、既存作品ファンへのサービスも満点です。
兄上も義姉君も荘十郎も一太郎も、お互いがお互いを思いやっている暖かい関係なのに、猫たちも含めてずっと仲良しで一緒に幸せにくらしました、で終われなくなってしまった「厄介叔父」の一言が切ないです。
切ないけれども、さばさばとさわやかに描かれているのが素敵です。