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殺 劫(シャ-チェ) チベットの文化大革命
 
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殺 劫(シャ-チェ) チベットの文化大革命 [単行本(ソフトカバー)]

ツェリン・オーセル , ツェリン・ドルジェ , 藤野彰 , 劉燕子
5つ星のうち 5.0  レビューをすべて見る (3件のカスタマーレビュー)
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商品の説明

内容紹介

チベット「封印された記憶」の真実――。 1966年から10年間、チベット高原を吹き荒れた文化大革命の嵐は、仏教王国チベットの伝統文化と信仰生活を完膚なきまでに叩き壊した。現在も続くチベット民族の抵抗は、この史上まれな暴挙が刻印した悲痛な記憶と底流でつながっている。長らく秘められていた「赤いチベット」の真実が、いま本書によって40余年ぶりに甦る。 本書は、チベット(西蔵)におけるプロレタリア文化大革命(一九六六~七六年)の写真・証言集。原著は、北京在住のチベット人女性作家、ツェリン・オーセル(次仁唯色)氏が、父親のツェリン・ドルジェ(澤仁多吉)氏の撮影した写真を基に、解説を書き加え、関係者へのインタビューもまじえて構成されている。 原著の題名「殺劫(シャーチエ)」の「劫」については、「奪う」、「脅す」、「長い時間」などの意味があり、梵語では「(劫簸)=kalpa」の略とされ、仏教語では「(永遠に回復できない)」や「(厄運、避けられない運命)」という熟語がある。また、中国語には「劫灰(チエホイ)」という言葉があり、大きな災難の名残を指している。例えば、唐詩の中に「劫灰飛尽古今平(飛び尽くして平らかなり)」(李賀「秦王飲酒」)という詩句があるが、全世界を焼き尽くした劫火の後に灰が飛び散り、何事もないかのように平和な日々が続いているといった意味である。 文革研究の空白を埋める――。 文革は共産党の一つの不都合な出来事であり、チベットはもう一つの不都合な問題である。したがって、チベット文革は二重のタブーとなり、なおさら触れてはならないものになっている。……オーセルの父親が撮影したチベット文革の写真は極めて特別な意義を持っていると言える。……オーセルがこれらの写真をめぐって取り組んだ長期間の調査と執筆がようやく完了した。……これにより、文革研究におけるチベットの部分も、もはや空白ではなくなった。 (王力雄「序」より) オーセルさんの不屈の姿勢に対する共感――。 周知のように、中国における言論統制は相変わらず厳しい。しかし、困難な環境にもめげず、ペンの力を信じて中国社会の様々な矛盾や不正と戦っている多くの知識人がいることを、私は長年の現地取材体験を通じてよく知っている。オーセルさんは疑いなく、そうした勇気と良識を備えた知識人の一人である。ジャーナリストもペンの力だけが頼りだ。オーセルさんの不屈の姿勢に対する共感こそが、何にも増して『殺劫』翻訳の推進力となったことを最後に記しておきたい (藤野 彰 訳者あとがきより)。装幀/玉川祐治[スタジオカタチ]

内容(「BOOK」データベースより)

チベット「封印された記憶」の真実―。一九六六年から十年間、チベット高原を吹き荒れた文化大革命の嵐は仏教王国チベットの伝統文化と信仰生活を完膚なきまでに叩き壊した。現在も続くチベット民族の抵抗は、この史上まれな暴挙が刻印した悲痛な記憶と底流でつながっている。長らく秘められていた「赤いチベット」の真実が、いま本書によって四十余年ぶりに甦る。

登録情報

  • 単行本(ソフトカバー): 412ページ
  • 出版社: 集広舍 (2009/10/26)
  • ISBN-10: 4904213076
  • ISBN-13: 978-4904213070
  • 発売日: 2009/10/26
  • 商品の寸法: 21.2 x 15 x 3 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 5.0  レビューをすべて見る (3件のカスタマーレビュー)
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35 人中、33人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
形式:単行本(ソフトカバー)
多くの写真が掲載された、歴史にとって大変に重要な一冊です。
文革時代のチベットをこんなに詳細に表した本は今までありませんでした。
この本が無事に世に出た事に感動しますが、内容は大変に重いです。
チベットを知る人にも、知らない人にも、中国の方にも是非読んで頂きたい本です。
このレビューは参考になりましたか?
8 人中、8人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
形式:単行本(ソフトカバー)
本書は、チベットにおける文化大革命(1966〜76年)の写真・証言集である。
北京在住のチベット人女性作家、ツェリン・オーセル氏が、父親のツェリン・ドルジェ氏の撮影した写真を元に
執筆したもので、6年以上かけた関係者への取材と写真解説によって構成された歴史的労作だ。

未だにその全容が明らかにされていない文化大革命の中でも、空白地帯であったチベットの文革に光を当てた
ほとんど唯一の貴重な資料といえる。

詳細は実際に読んでもらうしかないが、個人的に特に意外だったのは、チベットの文革の初期において、その
急先鋒に立ってチベット文化(寺院や文化財)を破壊し、反革命分子の吊るし上げを行なった紅衛兵の多くが
、若いチベット人学生や翻身農奴と呼ばれたチベットの貧しい農民・遊牧民だったことだ。
(チベットの国家的破壊の大半は、人民解放軍や革命委員会が中心となったのは言うまでもないが・・)

こうなった要因を、オーセル氏の夫である王力雄氏が、的確に指摘している。
「伝統的チベット社会は一つの総体として凝集し、宗教と民族の旗の下で統一していた。
この二本の旗はチベットの上層社会が握っており、外来の漢人にはどうしても奪い取ることができない。
このため、チベット社会を分裂させ、下層チベット人を味方に引き入れるには、チベット民族の間に階級闘争
を引き起こす必要があった。そうすれば、チベットの民族と宗教の一体性は打破される。」
この毛沢東の狡猾なる深謀遠慮に、多くの無垢なチベット人は見事に絡め取られたということになる。

そして10年間に渡る集団的狂気による赤色テロに加担したチベット人の多くは、未だ自責の念に苦しんでいる。
元僧侶でありながら文革で仏塔を破壊し貴重な経典を焼いた老人は、自ら願い出てジョカンの掃除夫を
17年間も務めた。

「実際、まったくたまらない気持ちだよ。何を言おうと、私は昔僧侶だったのに・・・罪業があるということさ。
でも、革命をやらずには済まされなかったんだ。」

「もし、文化大革命が無かったら、私は一生いい僧侶で過ごせたし、生涯僧服を着続けたに違いないと思うよ。
・・・しかし、革命がやってきて僧服はもう着られなくなった。
また僧服を着る資格はないな。それが自分の一生で一番つらいことだ・・・。」

この取材の9ヶ月後、老人はジョカンの片隅にある小部屋で亡くなった。
彼は死ぬまで再び僧服を着ることはできなかったのである。

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文中に興味深い一節を見つけた。
文革で破壊されたジョカンの千手観音のスンシュク(仏像内に納められた宝物)や多くの仏頭が、密かにダラム
サラへ持ち出され、ダライ・ラマ法王に献上された。そして法王はそれらをツクラカン(ジョカン)の千手観音像
に収めたという話だ。

昨年10月にダラムサラへ行った際、ツクラカンで千手観音像の足元に、古びた仏頭がいくつか安置されて
いることに気がついた。
その時には、インドの仏跡からの出土品か? と思ったのだが、上記の記述と照らし合わせると、これがラサ
から持ち出された仏頭だったか? と思い至った、感無量である。
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7 人中、7人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By クリムゾン・マニア VINE™ メンバー
形式:単行本(ソフトカバー)|Amazonが確認した購入
2009年10月発行、生涯手元に置いて、ことあるごとに見返したい一冊です。中国内では、もちろん発禁の書です。
この書籍をそう思わせている最大の理由は、モノクロの、衝撃的な証拠写真の数々が残っているからです。中国・文化大革命時代にチベットで起こったことの記録写真です。そして、その当時の関係者の証言集がストーリーを形成し、写真の表している内容を補完しています。写したのは父親であり、証言を集めて文章にしたのは、その娘です。
第一章 「古いチベット」を破壊せよ--文化大革命の衝撃、第二章 造反者の内戦--「仲の善し悪しは派閥で決まる」、第三章「雪の国」の龍--解放軍とチベット、第四章 毛沢東の新チベット--「革命」すなわち「殺劫」、第五章 エピローグ--二十年の輪廻 と続きます。破壊された仏具の山、三角帽子をかぶせられ糾弾されるチベット人、旗をなびかせて街中を行進する紅衛兵、笑顔なく毛沢東語録を掲げるチベットの若者たち。そんな写真と生き残った人々の証言集です。
伝統的なチベット語にはなかった言葉「革命」(サルジェ)をローマ字表記で読んで「shajie」、その同音漢字として、作者は中国語で「殺劫」(シャーチェ)と表現しました。さらにチベット語の「文化」(リンネー)は、ローマ字表記で「renlei」、これは中国語の「人類」(レンレイ)の発音と似ている。つまり、チベット語の「文化」(リンネー)「革命」(サルジェ)「大きい」(チェンボ)=文化大革命は、中国語で表現すると、チベット民族にとって「人類殺劫」になるという皮肉を著者は、本書の序に記しています。
その他の関連本としてのお勧めは、以下の通りです。セブン・イヤーズ・イン・チベット―チベットの7年 (角川文庫ソフィア)は、インドの捕虜収容所を脱走したオーストリアの登山家ハインリヒ・ハラーがチベットへ漂着して、幼少のダライ・ラマの個人教授になる実話。個人的には、これがチベットに関心を持った初めでした。ユン・チアンのワイルド・スワン〈上〉 (講談社文庫)マオ―誰も知らなかった毛沢東 上は、文化大革命の最中に現場にいた著者が描いた、リアルな物語。自分の生半可な認識を痛感させられました。そして、エリオット・パティスンの頭蓋骨のマントラ〈上〉 (ハヤカワ・ミステリ文庫)「シルクロードの鬼神」「霊峰の血」は、推理小説ながら、チベット人の考え方、生活が非常に分かる作品です。
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