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殺意 (創元推理文庫 (124‐1))
 
 

殺意 (創元推理文庫 (124‐1)) [文庫]

フランシス・アイルズ , 大久保 康雄
5つ星のうち 4.2  レビューをすべて見る (5件のカスタマーレビュー)
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商品の説明

出版社/著者からの内容紹介

イギリスの田舎町の開業医ビグリー博士は妻のジュリアを殺そうと決意し、周到な計画のもとに犯行へと移った。完璧を誇る殺害計画、犯行過程の克明な描写、捜査の警官との応酬、完全犯罪を目前に展開される法廷での一喜一憂、そして意外な結末は殺人者の心理を描いて余すところがない。倒叙推理小説の三大名作の一つとして名高い傑作!


登録情報

  • 文庫: 382ページ
  • 出版社: 東京創元社 (1971/10/22)
  • ISBN-10: 4488124011
  • ISBN-13: 978-4488124014
  • 発売日: 1971/10/22
  • 商品の寸法: 14.8 x 10.6 x 1.6 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 4.2  レビューをすべて見る (5件のカスタマーレビュー)
  • Amazon ベストセラー商品ランキング: 本 - 233,629位 (本のベストセラーを見る)
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17 人中、13人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
 倒叙推理小説(刑事コロンボシリーズに代表される、犯人や犯行方法
が最初から読者に知らされるスタイルの作品)を語る上でははずせない
古典的名作。

 本作では殺害方法が「時間をかけてじっくり」、というタイプで、激情型
犯罪ではないため活劇的なスリルには乏しいが、その分心理的駆け引
きが面白い。犯人が被害者(妻)に対して途中で一瞬見せる同情がリア
ル(ただし決して後悔はしないところが怖い)。

 法廷での攻防の末に、逃げ切った!と思わせた後の最後のページで
語られる結末は、驚きとともに「なるほど」と思わせる見事なもの。その
衝撃の一文はあまりにも短く、途中で最後のページが偶然開いてしまっ
ただけでも楽しみを失う可能性があり、要注意。
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11 人中、8人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
故に殺意 2009/4/13
Amazonが確認した購入
英国黄金時代の雄アントニイ・バークリーがフランシス・アイルズ名義で発表した本作の『殺
意』は、クロフツの『クロイドン発12時30分』、リチャード・ハルの『伯母殺人事件』と合わ
せて倒叙三大名作に数えられる傑作だ。
倒叙推理小説とゆうのは、探偵側から描くのはではなく、犯人の側から描かれる形式であって
それ故に犯行に至るまでのプロセスや、犯人そのものの主観的且つ客観的な人物像を浮き上が
らせて、その一挙手一投足が凡て重要なファクターとなって読者にスリルを与えてくれます。

この『殺意』では、その手法が極限の絶対的とまで高められていて、舞台の登場人物を取巻く
社会と個々の優劣滲み出るドラマチックな描写と、まさにアントニイ・バークリー(フランシ
ス・アイルズ)の矛盾的な作風を地で具現したような主人公(犯人)のビクリー博士を徹底的
に解剖し文学的と謂えるほど豊富な語彙で表現し尽した力量により、まるで自分の眼前で事が
繰り広げられているようであり、自分自身からビクリー博士の臭いがしてくるようだ...
克明な犯行描写もさることながら、終盤の法廷での動静は今にも壊れてしまいそうなぐらいの
ビクリー博士の心理的緊張を体現しており、息も吐かせない。。。

そして入り込みすぎた故に、頭が真っ白になるラストの展開に、神経にくるエピローグの衝撃
がもたらすカタルシスは、、、

これは・・・読まなきゃ損!!!
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8 人中、5人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By gl510 トップ1000レビュアー
Amazonが確認した購入
フランシス・アイルズは、アントニイ・バークリーの別名であり、彼は、作品によって、この二つの名前を使い分けていたのだそうだ。私は、バークリー名義の「試行錯誤」を読んだ直後に、この「殺意」を読んでみたのだが、「試行錯誤」では、堂々巡りで、一向に先へ進まない冗長で退屈な展開にしびれを切らし、思わず途中を読み飛ばしてしまったのだが、本書は、とてもそれと同じ作家によるものとは思えない、淀みないプロット、流麗な筆致で、物語が進んでいくのだ。名前を変えるということは、作風も筆致も変えるということなのだろうが、これほど極端な違いを見せ付けられると、本当に驚かされる。

本格派ミステリには、作家に小説家としての描写力が欠け、ユニークなトリック以外には見るべきものがなく、読んでいて、味気なさを感じる作品が少なくないのだが、本書巻末の解説によると、バークリーは、この点について、探偵小説を、「人間性格の面白さ、文体、ユーモアなどの要素を無視した古い型の純粋かつ単純な犯罪パズルから、心理学的な手法に重点を置いた文学作品にまで発展させるべき」と考えていたようであり、彼のこうした主張は、特にフランシス・アイルズ名義で書かれた本書のような「犯罪心理小説」に色濃く反映されている。

本書は、主人公の妻殺しの完全犯罪を倒叙推理小説風に描いた「犯罪心理小説」なのだが、自分を捨てようとしている男に対するいじらしくもあわれな女心や、中年男の若い娘に対するプラトニックな純愛心理、自己中心的な女の身勝手な愛といった、男と女の機微に触れた心理描写の巧みさが際立っており、確かに、単なる謎解き小説にはない面白さがあり、彼の主張が伊達ではなかったことがよくわかる作品である。ただ、物語の展開上、そうするしかなかったのだろうが、後半、主人公に明らかな愚行を行わせるなど、プロットが粗くなってしまっている感があるのが惜しまれる。

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