何でもやりすぎゴッタ煮てんこ盛りで、何を見てもB級にしか見えないのが香港映画の素晴らしさですが、この映画も非常にいい意味でいかがわしいテイストがプンプンしています。黄色を基調とした背景にどぎつい赤い血が飛び散り、おまけにそこから骨の折れる音がリアルに響くといったオープニングから思わず引き込まれます。ただその後の展開については結構手垢のついた記憶喪失サスペンスの典型的パターンで、これで2時間はちょっとキツイかなと思っていると、要所要所でサービスといわんばかりにドリルで穴を開けられた遺体や、眼に釘をさされてカタツムリ状態の犠牲者が登場して、飽きることなくこの“犯人は記憶をなくした自分なのか、それとも別に犯人がいるのか”パターンに付き合うことができるようになっているのですが、それが終盤からは驚きの展開に爆走していってしまうのです。何とパワフル!このサスペンスのキモとなるネタは、ハリウッドのサスペンスホラーでも全く同じものがありましたが、流石にあちらはスタイリッシュにおおっと腰をぬかす驚愕できるラストとなっていて、こちらはええっ何じゃそりゃ〜と腰がぬける衝撃のラストとなっています。でもこの泥臭さが本当にいいんですよね〜。あの悪い冗談のような絵図で最後までパワーで強引に押し切ってしまうこの香港映画のエネルギー。本当に癖になります。話しがどんどん悲惨なことになっていくスピードも止まりません。まぁ映画の完成度とするとそんなに評価をできないんでしょうけれど、好きな人にはたまらない映画じゃないでしょうか。中国本土では大幅なカットとラストの撮り直しを余儀なくされて公開という話をききましたが、日本ではこうして気軽にこのドロドロ陰惨劇場を堪能できるという幸せに100点満点をありがたく進呈したく思います。