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土砂降りの雨。漆黒の闇。閃光と雷鳴。白い豚。強姦。暴力。血。勃起。絶望。強姦。虐待。陵辱。自殺。ぬかるんだ峠道。後悔。復讐。デモ。機動隊。赤いザリガニ。
風景に、匂い、がただよう。人物に、血、が通っている。
事件の展開は残酷なまにスピーディだが、小説家の描写は丹念で精緻。つい昨晩、438ページ、およそ3センチの厚さを3時間足らずで一気に読了してしまった理由は、圧倒的な“闇”のリアリティに引き込まれ、そこから逃れられなくなってしまったからだろう。
映画の日本公開は04年3月27日らしい。なので、まだ観ていない。シナリオを“超訳"したというノベライズ作品には、アメリカ映画『ミスティックリバー』に通じる圧倒的な迫力を感じたが、『殺人の追憶』本編はどうだろうか?ともかく、観たい、と思った。
<ノベライズ本>というと、作品としてはどうかとなるだろうが、これは、まさに<超訳>。薄井ゆうじさんの筆力、構成力にうなった。とにかくおもしろい。途中でやめることなんてできない。一気に引き込まれるのは、淡々とした田舎の村でおきた、猟奇的な殺人事件であり、けして派手になることはない、刑事たちの執念、焦り、驕り、といった独特の世界である。ラストになり、『殺人の追憶』というタイトルそのものの意味を知ることになる。映画もすばらしいが、このノベライズ本も一筋縄ではいかない。韓国映画の懐の深さを堪能した。
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