作品を読み終えて思ったのは、物語の構想が凄いということです。
微妙に絡み合う登場人物の人間関係や、物語の進行状況など読み手を引き付けるものがあります。
過去に起きた少女のレイプ事件を境にして、そこから繋がってくる様々な事件と人間模様が描かれた推理溢れる作品に仕上がっています。
但し、不可思議に思う点もあります。レイプ事件の一人とされる人物に医者がいますが、殺した筈の少女が生き返っていたという内容については疑問でしょう。医者ならば本当に死んでいるのかどうかぐらい分かるはずです。この点は漫画的ですね。
また、『黒い詩集』の作者がこの作品のヒロインである香を殺す動機が単純に描かれている点が残念です。もう少し深みのある内容に描かれているならば、もっと読み手も満足できるでしょう。
しかしながら、一部不満に思う点はありますが、作品の構想力が凄いので皆さんにも是非読んで貰いたいと思います。
森村誠一がこの作品で何かを訴えているような気がします。