実際の監禁殺人事件をモチーフにしてる割には作者のご都合主義的な箇所が気になってしまった。
主人公貴子が、殺人鬼富永に取り込まれていき、自身も鬼畜化していく様はまだ理解の範疇だったが、彼女の両親や姉、その夫までも簡単に富永の術中にはまっていくのはどうかと思った。
特に、貴子の母と姉が富永に会った一日目にして自分の夫をあっさり見捨て、富永の心を自分に引き止めておこうと、互いに醜い陥れを行うシーンは思わずコント?ギャグシーンかと思って失笑してしまった。
そこまで富永に人を魅了する力、または相手を自分の思い通りに操る力があるなら納得もできるが、全然そんな風に書かれてなかったので、富永の意に操られている女供がそろいも揃って低脳なのだろうなと無理矢理納得させて読み進みました。
家族同士ですら自分の保身のためにはこんな風に争い、殺し合うのも厭わないのだということを書きたかったのかもしれないけど、説得力がなさすぎ。
せめて山奥の一軒家とか、地下室だとか絶対に逃げられないというシチュエーションならまだしも、監禁場所は街中のウイークリーマンション。
悲鳴あげたら近隣の人が気づくだろうし、逃げるのも実に簡単そうだし、リアリティの欠如から恐怖が弱かった。
最後、優太が気が狂っていた振りをしていたってのも拍子抜け。
そんなにしっかりした小学生ならもっと前に逃げれるでしょ。と