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殴り合う貴族たち (角川ソフィア文庫)
 
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殴り合う貴族たち (角川ソフィア文庫) [文庫]

繁田 信一
5つ星のうち 3.0  レビューをすべて見る (2件のカスタマーレビュー)
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商品の説明

内容紹介

宮中での取っ組み合いの喧嘩、従者の殴殺。果ては邸宅建設のために平安京を破壊するなど、優雅な王朝時代のはずが、貴族たちはやりたい放題の暴れぶり。当時の記録をもとに貴族たちの意外な素顔を探り出した意欲作。

内容(「BOOK」データベースより)

素行の悪い光源氏たち!?光源氏のモデルの一人となった藤原道長は、官人採用試験の不正を強要、従者に命じて祗園御霊会を台なしにし、寺院建立のために平安京を壊した。これは道長だけの話ではない。優雅なはずの王朝貴族たちは、頻繁に暴行事件を起こす危ない人々でもあったのだ。「賢人右府」と呼ばれ、紫式部も尊敬した小野宮実資の日記を通して、『源氏物語』には描かれなかった王朝貴族たちの素顔を浮き彫りにした。

登録情報

  • 文庫: 294ページ
  • 出版社: 角川学芸出版 (2008/11/25)
  • ISBN-10: 404409201X
  • ISBN-13: 978-4044092016
  • 発売日: 2008/11/25
  • 商品の寸法: 14.8 x 10.6 x 1.2 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 3.0  レビューをすべて見る (2件のカスタマーレビュー)
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形式:文庫|Amazonが確認した購入
平安貴族と言えば典雅、優美、絢爛。
和歌を詠んだり、管弦に興じたり、恋愛にいそしんだりと、実に文化的な暮らしをしていた…そんな風に考えてしまう。

だが、実際はそうでもない。貴族といっても人間である。
身分が高貴で財力があるというだけで、やってることは普通の人間とそう変わりない。
他人に嫌がらせをしたり、果てには暴行におよんだりもするのだ(といっても実際には自分の手下にやらせるのだが)。
むしろなまじ地位があるだけに、普通なら許されないことでもやってのける。

驚くことに、当時の貴族には刑事罰というものがほぼ皆無だったという。
人を殺してもせいぜい謹慎や厳重注意ぐらいのもので、ちっともダメージがないのである(これは身分の低い人間を殺しても、という意味で、貴族を殺せば当然ながら大問題になる)。

特に上級貴族などは、ろくに才能がなくても出世するものだから余計にタチが悪い。
現代でいえば「金持ちで甘やかされて育ったボンボンが、ゴロツキを雇ってムチャクチャしている」というイメージだろうか。

貴族の蛮行を紹介してくれる、非常に楽しめる一冊である。
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形式:文庫
 「平安貴族」という言葉から連想される、『源氏物語』の光源氏のように教養豊かで上品な貴公子のイメージ。だが、果たしてそれは現実だったのか。紫式部と同時代を生き、「賢人右府」と称された藤原(小野宮)実資(さねすけ)の日記『小右記』(しょうゆうき)を中心に、当時の記録に現れる貴族たちの暴力事件や不品行の数々を紹介した1冊である。
 読んで呆れるのは、当時の貴族社会で暴力沙汰など実は日常茶飯事だったこと、さらに、それに対して驚くほど軽い処分しか下されていない(どころか、しばしば何の処分もないまま終わっている)ことである。自分の従者を殴り殺し、井戸の使用をめぐる些細な争いから実資の下女の家を破壊させた宰相中将。祭りの路上で気にくわない下級貴族を従者たちの手で袋叩きにし、周囲の見物人にまで見境なしの乱暴狼藉を働かせた元皇太子。荒法師姿の従者たちを従え、巨大な数珠を牛車からのぞかせて周囲を威圧する(ほとんど現代の暴走族のセンス)一方、母娘を愛人にして同時期に妊娠させた花山法王…。紫式部のパトロンだった藤原道長からして、自分の息のかかった人間を採用させようと官人登用試験の試験官に暴力を振るい、自邸に庭園を造るため京中の官庁や寺院から石材を略奪させた(逆に、若い頃には暴力事件の被害者にもなっている)。 
 事件の背景への考察には憶測の部分も多く、著者の推測がどの程度正しいのかには疑問も残る。ただ、いずれにせよ、『源氏物語』の雅やかで繊細な貴族たちは、あくまで文学的な虚像、作られた理想像に過ぎなかったのだろう。むしろ(本書では触れられていないが)当時の大衆小説的な作品とされる『落窪物語』の、下品で乱暴で好色で欲深で、弱者には傲慢、強者には卑屈な登場人物たちの方が、平安貴族の実像に近かったのではないか…。本書を読んでその感を強くした。
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