上遠野浩平「事件」シリーズ、4年ぶり(!)の最新刊。
前作から予告されて本当に待ちに待ちました
まず、表紙絵・挿絵が金子一馬氏より別人に変わっており、
びっくりしたと同時に書店で見つけられなかった…
事件シリーズ=金子氏、のイメージだったのでかなりの違和感がある。
前作、「禁涙境事件」でお目見えした、謎の正義の味方「残酷号」をめぐるストーリー。
彼の誕生から、今後までを、時間・場所・民族・多くの国家を巻き込んで展開されていく。
今までの「事件」シリーズが建物の内部など、わりと閉じられた展開が多かっただけに(一番広いところで先の禁涙境の「街」レベルか)ダイナミックな展開には興奮した。
一方で「事件」シリーズ特有のミステリ要素は既作までに比べて少ない印象で、本当のミステリと呼ばれる部分は最後の数ページだけかなと感じた。
とはいえ、作者特有の言い回し、独特の魔法の概念、散りばめられた策略、新旧キャラの活躍、始まりの地が、終わりの地へと謎を含めて一点に収束していく手腕など見所は満載!
ところで、作中には何度も「正義の味方」という言葉、そしてその言葉に対する考え方が頻出する(あとがきのテーマでもある)。
あまりに頻出するせいで、もしかしてブギーポップのあの「正義の味方」と…!
などと勘ぐったが、そんなことはなかった。
しかし、双方のシリーズが関連性を持っているのは明白なわけで…と思いながら読み進めていた。これからの展開が楽しみなシリーズです!
「めんどくせえめんどくせえ、ってあいつはそればっかりだからさ。何でめんどくさいのかっていうと、たぶん、もうやるべきことが全部前もって見えちゃってるから、なんでしょうね。頭が回りすぎるのよ。他人がみんなノロマに見えてるに違いないわ。嫌なヤツよねえ」 本文160ページより