長い永いこの物語をやっと読み切ることが出来ました。
前半は、ただただ衝撃の勢いに流されるようにして、ページをめくる指が止まりませんでした。後半は、本当にどうしようもなくページをめくる指が重くて仕方ありませんでした。私自身がこの物語の中に存在するかのように、そしてただ見ていることしか出来ない無力さを感じるのです。救いも終わりもなかなか見えてこない物語の底をジュルミとイアンは歩き続けます。
特に後半からイアンについて深く考えさせられました。私は、物語の初めの頃イアンという人間を信じていませんでした。真実を知ってからの、彼のジェルミに向ける言動にリアリティを感じられませんでした。しかし、何があってもジェルミを愛することを諦めない彼の姿に、人間の本質を見たのです。それは強さであり弱さであり野心でも純情でもあると思います。人間はそこまで出来て、そんな愚かなことをしてしまう生き物なのです。
愛はときに残酷です。残酷なまでに愛し、支配する者の上にまるで神のように君臨しても、その人間もやはり人支配される者なのだということを、私はこの物語から受け取りました。
読後、心が重くなった気がしました。辛くても本当に最後まで読んでよかった。