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残虐記
 
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残虐記 (単行本)

桐野 夏生 (著)
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商品の説明

出版社/著者からの内容紹介

薄汚いアパートの一室。中には、粗野な若い男。そして、女の子が一人――。

失踪した作家が残した原稿。そこには、二十五年前の少女誘拐・監禁事件の、自分が被害者であったという驚くべき事実が記してあった。最近出所した犯人からの手紙によって、自ら封印してきたその日々の記憶が、奔流のように溢れ出したのだ。誰にも話さなかったその「真実」とは……。一作ごとに凄みを増す著者の最新長編。


内容(「BOOK」データベースより)

失踪した作家が残した原稿。そこには、二十五年前の少女誘拐・監禁事件の、自分が被害者であったという驚くべき事実が記してあった。最近出所した犯人からの手紙によって、自ら封印してきたその日々の記憶が、奔流のように溢れ出したのだ。誘拐犯と被害者だけが知る「真実」とは…。

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5つ星のうち 5.0 まさに桐野夏生にしか描けない世界, 2004/2/27
By ナツナオ - レビューをすべて見る
(TOP 100 REVIEWER)   
徹夜度    ★★★★★    話題性    ★★★★★
着想     ★★★★☆    作品の重さ  ★★★★★
テンポ    ★★★★★    読みやすさ  ★★★★☆
謎解き    ★★☆☆☆    感動     ★☆☆☆☆
読後感    すこしモヤモヤ
おすすめ度  ★★★★★

本作品は、まさに桐野夏生にしか描けない世界。

25年前の少女誘拐・監禁事件の被害者で、現在は作家となった「小海鳴海」こと生方景子。彼女の元に出所した犯人から手紙が届き、彼女は失踪。物語は、夫が出版社に彼女の手記を送付するところから始まる。
夫の手紙→犯人の手紙→小海鳴海の手記→夫の手紙
と、手紙と手記のいという珍しい構成の作品である。

小海鳴海の手記のなかで、彼女が明かさなかった少女誘拐・監禁事件の真実が明らかにされる。

わずか221ページであるが、内容はぎっしり。作者独特の「毒」がきっちり詰まっている。

作品の「重さ」と「テンポ」は通常相反するのだが、本作品の場合、重苦しい内容ながら、ついついページをめくってしまい、私にとって、「幻夜」に続く2作目の徹夜本となった。
「OUT」「ダーク」「グロテスク」の作品を楽しめた方には是非お勧めである。

余談であるが、「OUT」の英語版が、日本の小説として初めてMWAが主催するエドガー賞最優秀長編賞にノミネートされた。ノミネートされただけで快挙といえよう

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18 人中、14人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 4.0 “想像”の本来持つとてつもない力を信じようとする作者の意思, 2004/10/8
  桐野夏生は、「グロテスク」で東電OL殺人事件、「残虐記」で新潟少女監禁事件と、ここのところ、“あえて”現実の猟奇的事件をモチーフとした作品を手がけている。それはなぜだろうか?
  最近、現実に起こる事件には“想像”をはるかに凌ぐものが多い。あるいは、こうした事件は“想像”と“現実”が綯い交ぜになることで起こっているのかもしれないが。現実が想像を凌駕していくということは、想像、もしくは文学の敗北である。現実が想像を超えていくのではなく、想像が陳腐なものに成り下がっているのだ。桐野夏生は、そのことに大変自覚的な作家であり、最近の作品は“現実を超えていく想像”という図式にこだわっている気がする。少なくとも作者は、“想像”の本来持つとてつもない力を信じようとしている。
  「残虐記」は“想像の愉楽”を反復的に読者に供するための、創作上のたくらみを持つ。小説には、語り手は嘘をつかないという暗黙の了解があるが、「残虐記」は語り手がウソをつくのだ。ほかにも小説の中に小説を組み込むというメタ的な手法や夢世界の挿入など、様々な手を尽くして、何重にも“想像の愉楽”を反芻させてくれる。作中の言葉で言えば“性的人間”、つまり想像によって生きる人間で自分もありたい、自分もなりたい、と強く思わせる作品だ。
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33 人中、23人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 2.0 何が『残虐』なのか?, 2005/4/21
By 汐菱Q "きゅう" (東京都江東区) - レビューをすべて見る
(TOP 500 REVIEWER)   
 『週刊文春』2004ミステリーベスト10国内部門第6位。
 どうしてこれが6位なんだろう? と思った。
 『残虐記』とは、小説内小説のタイトルだ。その作者名は、『小海鳴海』という。
 小海鳴海は、25年前、10歳のとき、25歳の男に拉致され、1年余りの間、監禁された。
 小海鳴海の書いた『残虐記』は、その事件の一部始終を、虚実まじえながら書き綴ったものだ。もちろん、桐野夏生が書いた小説『残虐記』の中での虚実であり、虚も実もフィクションである。
 フィクションではあるが、男が少女を拉致・監禁するという事件は、現実の世界で実際に起こっている。その実際の事件に接した桐野夏生が、事件に触発されて想像したことをただつらつらと書いた、という感じがしてならない。
 盛り上がりも感動もなく、答えのない謎に付き合う気持ちも起こらないまま、淡淡と読み終わってしまった。
 作者の伝えたいメッセージが、見えなかった。単なるエンターテイメントとして、書いたようだ。
 が、単なるエンターテイメントとするには、題材が生生しく、重過ぎるように思う。
 拉致・監禁した犯罪よりも、興味本位や好奇心、ずれた同情などで被害者を傷付けてしまうことよりも、エンターテイメント小説の題材にしてしまうことが、最も『残虐』であるとさえ感じてしまった。(もちろん、拉致・監禁した犯罪者が最も残虐であり、その犯罪者を生かし、保護し、社会に戻してしまう日本の司法システムもまた同じぐらい残虐であると思う)
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