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残夢整理―昭和の青春
 
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残夢整理―昭和の青春 [単行本]

多田 富雄
5つ星のうち 5.0  レビューをすべて見る (3件のカスタマーレビュー)
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商品の説明

内容(「BOOK」データベースより)

思い出すことのなんという切実さよ!残夢のように、事あるごとに記憶に蘇る死者たち。私は彼らを追いかけ、同じ空気を吸い、語り合った。―脳梗塞と癌と闘い、逝った著者の青春の記録、鎮魂の書。

著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)

多田 富雄
1934年、茨城県生まれ。東京大学医学部教授、東京理科大学生命科学研究所所長などを歴任。’71年、免疫応答を調整する抑制T細胞を発見。内外多数の賞を受ける。能への造詣が深く、「無明の井」「望恨歌」「一石仙人」「原爆忌」などの新作能を手がける。’84年、文化功労者。2001年、脳梗塞となり声を失い右半身不随となるが、強い意志で執筆活動を続ける。’09年、瑞宝重光章。主な著書に、『免疫の意味論』(青土社、大佛次郎賞)、『独酌余滴』(朝日新聞社、日本エッセイストクラブ賞)、『寡黙なる巨人』(集英社、小林秀雄賞)など多数。’10年4月、前立腺がんのため死去(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

登録情報

  • 単行本: 228ページ
  • 出版社: 新潮社 (2010/06)
  • ISBN-10: 4104161047
  • ISBN-13: 978-4104161041
  • 発売日: 2010/06
  • 商品の寸法: 19.4 x 12.8 x 2.8 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 5.0  レビューをすべて見る (3件のカスタマーレビュー)
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生を思へ 2010/8/2
By 麒麟児 トップ500レビュアー VINE™ メンバー
形式:単行本
本年4月にその生を終えられた多田富雄氏の遺作。氏の幼少時から晩年に至る人生の時の中で、氏が出会い導かれた個性的な師友や親戚の方々との痛烈な思い出が、氏の明晰なしかしふくよかな文体(何と魅力的な文体であろう!)により、濃密に綴られそして甦る。一人ひとりがそれぞれにデモーニッシュなもの(厄介なしかしそれなくして何の生か!)を抱えているであろう人間存在の深淵と生きることの意味について、改めて考えさせられた。

読後しばらく経っているというのに、採り上げられた人々の姿や一挙手一投足が今も脳裏から離れない。氏の白鳥の歌たるに相応しいある意味壮絶な一冊である。
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4 人中、4人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
覚悟の遺書 2011/2/6
形式:単行本
以前小林秀男賞を受賞した作品以来ファンですが、今回も昨年の新聞の書評欄に取り上げられていて、遺作だったことを思い出して読みました。友、恩師との数十年を経た懐古談が走馬灯のように語られて一気に読めました。圧巻は最後のあとがきでした。
「鎖骨を折ったことは、筆を折ることだった。書くことはできない。まるで終止符を打つようにやってきた執筆停止命令に、もう
うろたえることもなかった。いまは静かに彼らの時間を待てばいい。昭和を思い出したことは、消えていく自分の時間を思い出すことでもあった」数年に及ぶ想像を絶する闘病生活の果てに言葉を最後まで残した沈黙の巨人にただただ脱帽するばかりでした。
改めて多田先生のご冥福をお祈りします。
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人生の価値 2010/10/4
形式:単行本
免疫学の泰斗による、生涯での忘れえぬ6件の出会いが紹介されている。どれも印象に残るすばらしい話であるが、私は特に恩師との日々を描いた「ニコデモの新生」と「朗らかなディオニソス」が忘れ難い。そして、「後書き」。脳溢血に倒れ、癌に侵された日々の中で、著者がどんな思いでこの書を綴ったか、抑えた筆致で述べられているのだが、電車の中なのに涙が止まらなかった。

読後思うのは、人生の価値とは、自分がどれだけのことを成し遂げたか、ということもあるのだが、それ以上に、心を通わせることができる素晴らしい出会いがいくつあったかどうか、ではないか、と思う。もちろん、人数の多さや会った回数の多さではない。そして、そのような者とは亡くなってからも心の中で生者同然に交流できるのだ。

著者自身も亡くなってしまったが、この本のお陰で著者が体験した濃密な交流を、読者が追体験できる。素晴らしいことだと思う。
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