1976年〜81年の間に、ヤングジャンプ及び少年ジャンプで発表された作品をまとめた文庫です。全6編を収録。
『世界樹』は100頁あまりの中編です。かつては温暖で大量の水が存在したという火星が氷の世界になってしまった謎、そして地球の生命の根源をも解き明かそうとする、一大スペクタクル。火山大爆発などもあってスケールが大きい。また「ロシュの限界」等様々な科学的知識も作品に生かされています。作画に非常に力が入ってるのに、文庫サイズなのが残念過ぎる。
『遠い呼び声』は、SFとラブストーリーの融合した名作。ジョディの成長を見守るかのように、幼い頃から何度も繰り返し現れるUFOの正体とは…?ラストシーンには涙が出る。言葉通りの、“永遠の愛”を描いた作品です。また表題作『残像』も、人の深く切ない愛を描き切った名作です。もちろんSFアイデアも、ロマンに満ちた素晴らしいものです。
『美神曲』はダンテの神曲をモチーフにしたコンピューター反乱もので、SF叙情詩とでもいうべき作品。気温は優に400°を超え硫酸の雨が降り注ぐ地獄・金星に送られた採鉱プラント・コンピューターが異常行動を起こすのだが、全く原因がわからない。彼は一体、何を求めているのだろうか…?
『海の牙』は海洋SFで、星野ファンのネタ人気の高い“あれの巨大化した生物”が出てきます。内容的にも、まずまずの良作だと思います。
『暁の狩人』では、実は氷河期には原人よりも遥かに進歩した先行人類(プレサピエンス)が存在していた…という設定の元、緊張感のあるドラマが展開されます。これと『海の牙』の2編は、初期テイストの残る絵柄です。
「美神曲」
「残 像」
「世界樹」
「遠い呼び声」
「海の牙」
「暁の狩人」