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残りの雪 (新潮文庫)
 
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残りの雪 (新潮文庫) [文庫]

立原 正秋
5つ星のうち 4.2  レビューをすべて見る (6件のカスタマーレビュー)

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商品の説明

内容(「BOOK」データベースより)

夫は、なぜ失踪したのか?理由なき別れに苦しみ、無為不安の日をおくる里子に一条の愛の光が射しこむ―坂西浩平、40代の会社社長で、骨董の目利きでもある男との出会いである。妻子を捨てた夫と、年上の女との情事が日々うつろなものに変っていくのとは対照的に、二人の愛は古都鎌倉の四季の移ろいの中で、激しく美しく燃え上がった。男女の宿命的な愛を鮮烈に映す長編小説。

著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)

立原 正秋
1926(大正15)年、朝鮮慶尚北道安東郡生れ。幼くして父を失い、’37(昭和12)年、横須賀の母の再婚先に移る。早稲田大学専門部に入学し、文学部国文科に学ぶが中途退学。「薪能」「剣ヶ崎」で芥川賞候補となり、’66年、「白い罌粟」で直木賞を受賞。凛とした精神性と日本的美意識に裏打ちされた多くの作品を生み、’80年、食道癌により死去(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

登録情報

  • 文庫: 630ページ
  • 出版社: 新潮社; 改版 (1980/07)
  • ISBN-10: 4101095108
  • ISBN-13: 978-4101095103
  • 発売日: 1980/07
  • 商品の寸法: 15 x 10.6 x 2 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 4.2  レビューをすべて見る (6件のカスタマーレビュー)
  • Amazon ベストセラー商品ランキング: 本 - 360,767位 (本のベストセラーを見る)
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17 人中、16人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
もう10年にもなろうか、その頃つき合っていた「愛しい人」から、この
「立原正秋」を教えられた。勧められたのは『辻が花』だった。
探せどなかなか見つからない。それが近時、短編集の中で入手できた。

あの人が勧めるだけに、それは良い本だった。読後すぐに彼の本を探し
て手にしたのが、この『残りの雪』だった。これもまた素晴らしい。
文末の解説で、この本は昭和48年に日経新聞に連載され、好評を博した
ことを知った。不覚にも、このことは知らなかった。
無理もない、その頃は社会人になってまだ5年、28の青二才だった。

今や立原氏の世界をさ迷い、理解できる歳になったことを感謝したい。
いま同じ日経紙で、W氏の『愛の流刑地』が評判というが、この立原本
の前ではまったく勝負にならない。あのW氏とは品格が違う。

本書が持つ、1「奥行きの広がり」、2「構成の妙」(解説文も絶妙。
2組のペアに描き出される対極軸の妙味などは、読後この解説文を読め
ば分かろう)、そして3「賢い女はかくあるものか」といった驚きと同
調など…、実に学ぶものは多い。(なべて、賢い女は美しい)
「四季の移ろいを丹念に描く中にあって、決して移ろわない里子と紙屋
の信頼と情」に、場面においては、涙さえ落としてしまう。

読む過程で「長い人生のどこかで、こんな素敵な出会いにめぐり合いた
い」とまだまだ願いつつ、男女の仲は、「素敵であればある」ほど、そ
れはまた「厳しさを伴う」のだと、素直にうなずいてしまう。
そんな“本当の大人にしかわからない”、実に良い本である。
50代以上で、「自分は大人である」と思える方よ、読んでみてください。

このレビューは参考になりましたか?
10 人中、9人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
幼い頃からの本好きは、やがて早熟な思春期に突入。立原作品の
「恋」に触れるたび、恋する人とはこのように美しきものかと、
己の身姿を鏡に映し冷静になるでもなく一人トキメイテいたのでした。
あれから数十年の歳月が過ぎ、この作品を読みふける休日、
日本とはこの様に美しき国であったかと思い巡らし旅立ちの

誘惑にかられるのです。まるで上質な日本画を描くようにつづられた
美しい作品ではないでしょうか。落ち着いて読むことの出来る
激しい恋愛物語です。

このレビューは参考になりましたか?
6 人中、5人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
立原正秋をはじめて読む人にもおすすめ。鎌倉や旅先の情景、季節、美術、食など、滅びつつある美しい日本の描写にまずは惹きこまれてしまう。そのなかで繰り広げられる男女の恋愛模様は、さながら華麗な絵巻物のよう。一方で失踪したヒロインの夫とその愛人たちの様子は、同じ不倫でありながらまったく彩りのない、通俗的な姿に描かれる。この2つの対照的な恋愛模様のコントラストにくわえて、老いてなお男女の性愛に捉われるヒロインの親たちの姿が品格を失わず描かれるのも見逃せない。とどまることのない人間の情念、性愛のゆくえが、作者が生涯貫きとおした独特の美意識のなかで昇華され、こころゆくまで立原正秋の世界を堪能できる。
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