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殉死 (文春文庫)
 
 

殉死 (文春文庫) [文庫]

司馬 遼太郎
5つ星のうち 4.5  レビューをすべて見る (22件のカスタマーレビュー)
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商品の説明

出版社/著者からの内容紹介

明治帝の崩御に殉じた、日露戦争の輝ける英雄、及木希典。幾多の栄誉を一身にになった彼が、何故死を選んだのか。"軍神"の内面に迫り、その人間像をさぐる問題作
--このテキストは、絶版本またはこのタイトルには設定されていない版型に関連付けられています。

内容(「BOOK」データベースより)

乃木希典―日露戦争で苦闘したこの第三軍司令官、陸軍大将は、輝ける英雄として称えられた。戦後は伯爵となり、学習院院長、軍事参議官、宮内省御用掛など、数多くの栄誉を一身にうけた彼が、明治帝の崩御に殉じて、妻とともに自らの命を断ったのはなぜか?“軍神”の内面に迫り、人間像を浮き彫りにした問題作。

登録情報

  • 文庫: 220ページ
  • 出版社: 文藝春秋; 新装版 (2009/8/4)
  • ISBN-10: 4167663341
  • ISBN-13: 978-4167663346
  • 発売日: 2009/8/4
  • 商品の寸法: 15 x 10.6 x 1.2 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 4.5  レビューをすべて見る (22件のカスタマーレビュー)
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6 人中、6人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By 無覚 トップ500レビュアー
形式:文庫
第二部「腹を切ること」が優れている。
特に、きちんと「これは自分の想像だよ」と断って書き進める殉死前15分間の乃木夫妻のやり取りが出色である。もちろん事実そのままではありえないだろうが、「そうでもありえた」と思え、さらには「そうであって欲しい」と思えるところもある。この最後の8ページだけでも読む価値はある。

それに対し、第一部「要塞」はいただけない。愚将・乃木を印象付けることに力を入れすぎるあまり、不合理が多い。
乃木の無能を示すエピソードに、憶測によるものがあまりにも多すぎる。たとえば乃木の昇進は長州閥の力のみによるかのごとくに描かれる。23歳の少佐昇進まではさもあろうが、同年代の長州出身陸軍軍人が乃木一人でもあるまいに、有力者の子弟でもない乃木が、吉田松陰の弟弟子(しかも会ったことなし)という筋目のよさだけでいつまでも引き立てられはすまい。
それでもはっきり憶測と分かる書き方をしているうちは良いが、旅順攻略戦のクライマックスに向けて俄然、小説の度合いが強くなる。大山巌が児玉源太郎に託した指揮権委譲の密書は明らかに創作である。創作は創作と分かるように書かなければいけない。(密書という性格上、存在した可能性を否定できないが、現物のみならず、それに言及した一次資料もない以上、創作である。)その他にも首を傾げたくなるところは多いが、このあたりのことについては多くが語られているので、これ以上は書かない。

乃木の形へのこだわりの描写と内面の痛ましさの分析が見事であるだけに、無理にでも貶めようとする感情的な筆致を抑えていれば、人物像を一層くっきりと浮かび上がらせ、より深い読後感を残すものになったであろうと残念である。
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5 人中、5人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
形式:文庫
乃木の軍事能力に対しての作者の評価は手厳しいもので書いている途中から半ば呆れているのではないかと思われるほどで、
この点に関しては乃木や他の軍事関連の本も読んだ上で判断した方が良さそうなものの、
乃木の精神性に対する理解と分析は秀逸であり、ややもすると一種狂信的ともいえる独自の規範を持つ乃木が
なぜ明治天皇や児玉源太郎といった周囲の人間にとどまらず、一般庶民にも愛され続けていたか良く分かる作品だと思います。
このレビューは参考になりましたか?
3 人中、3人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
形式:文庫
本著は司馬遼太郎が乃木希典を描いたエッセイ風の小説である。
乃木希典といえば、日露戦争における旅順攻略戦で勝利し有名な「水師営の会見」を行った司令官で、
明治天皇崩に合わせて切腹により殉死した明治期の英雄だ。
しかし、、以前読んだ『坂の上の雲』で、司馬遼太郎が描く乃木将軍のそのあまりの愚将ぶりに驚かされた覚えがある。
本著はその『坂の上の雲』よりも前に発表された作品で、乃木将軍の生涯についてより深く、より批判的に描かれている。
乃木希典に対する歴史家の評価は「聖将」「愚将」と両極端で、現在でも定まっていないらしいが、司馬史観で見る限り乃木希典は希代の愚将ということになる。
そしてその愚将を明治天皇、昭和天皇は生涯愛したという。
多重人格とも思える複雑に入り組んだ乃木希典という生涯に、歴史の面白さを改めて感じる。
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投稿日: 2006/3/16 投稿者: tomo1943
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