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殉国―陸軍二等兵比嘉真一 (文春文庫)
 
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殉国―陸軍二等兵比嘉真一 (文春文庫) [文庫]

吉村 昭
5つ星のうち 4.7  レビューをすべて見る (3件のカスタマーレビュー)
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商品の説明

出版社/著者からの内容紹介

中学三年、十四歳にして応召した小柄な少年の体験を通して太平洋戦争末期のすさまじい沖縄攻防の実相を迫真の筆致で描く長篇小説

内容(「BOOK」データベースより)

「郷土を渡すな。全員死ぬのだ」太平洋戦争末期、沖縄戦の直前、中学生にガリ版ずりの召集令状が出された。小柄な十四歳の真一はだぶだぶの軍服の袖口を折って、ズボンの裾にゲートルを巻き付け陸軍二等兵として絶望的な祖国の防衛戦に参加する。少年の体験を通して戦場の凄まじい実相を凝視した長篇小説。

登録情報

  • 文庫: 249ページ
  • 出版社: 文藝春秋 (1991/11)
  • ISBN-10: 4167169223
  • ISBN-13: 978-4167169220
  • 発売日: 1991/11
  • 商品の寸法: 15.2 x 10.8 x 1.2 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 4.7  レビューをすべて見る (3件のカスタマーレビュー)
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21 人中、20人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
形式:文庫
吉村氏の作品を読むようになって5年。今では立派な吉村ファン(自称?)である私が、最初に読んだ一冊である。

夫の実家、結婚前の彼の部屋の片隅にこの本はあった。「これ、借りるね」と何げなく手に取り、頁を繰った瞬間から私は凄惨な沖縄戦の真っ只中に放り出されたのだ。耳元をかすめる銃弾、頭髪が逆立つような爆風、空を焦がす火炎。いつか旅行で訪れたあの沖縄の、からりとした明るい空気が私の中でみるみる変質してゆく。いつしか主人公の比嘉真一の意識に呑み込まれて行く。
吉村氏は、冷徹なまでに端正な筆致で主人公が戦火に追われ、しかし一兵士として死に場所を求めるようにさまよう姿を描き出す。この臨場感は、時として音や匂いまでも感じるほどだ。吉村氏の作品には一貫して“死”と現実が縦糸として織り込まれているが、本作品はその中でも最も生々しい感覚を、読み手に与えるものではないだろうか。

日本で半世紀前、実際にこのようなことが起こったのだ。
青い海の沖縄にしか興味がないあなた、『プライベートライアン』を瞬きもせずに見通したあなたに、一読を勧めたい。

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5 人中、5人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By Gori トップ500レビュアー VINE™ メンバー
形式:文庫|Amazonが確認した購入
主人公は、陸軍二等兵比嘉真一。召集された時は、沖縄県立第一中学校三年生、14歳であった。
沖縄の珊瑚の海が、米軍艦船で埋め尽くされたとき、比嘉は学徒兵として、
本土防衛のための沖縄の砦を守る一兵卒となった。一年生、二年生が「幼いものは家に帰れ」
と言われたのに対し、皇国の兵となったことに優越感と高揚感を抱く。
しかしその比嘉も幼いことに変わりはないのだ。吉村さんの筆は端正に冷徹に、その様子を描く。
「(比嘉)真一は、なるべく小さいものをえらぶことにつとめたが、軍服はどれもだぶだぶで、
 仕方なく袖口を追って着用しなければならなかった。ズボンも裾の方をかなり折ってゲートルを巻きつけた」

比嘉は三男である、長兄と次兄を戦場で失った母にこう心のなかで言う。
「『しかし母さん』と、彼は、胸の中でつぶやいた。『戦争は男が死んで、女が生き残るものなのです。
 僕たち男は、なぜか本能のようにそれを無意識に知っていて、女や幼い子供たちの生命を守るために
 死をとして戦うのです』」

沖縄は、本土防衛のために、郷土を焼土に変えられながら三ヶ月間戦った。そして、比嘉真一は……

再販すべき本である。
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2 人中、2人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By jiateng4 トップ1000レビュアー VINE™ メンバー
形式:文庫|Amazonが確認した購入
先次大戦で沖縄の人が果たした役割はあまりにも巨大で、日本人は等しく彼らに感謝の気持ちを持たなければならない。本書はそんな沖縄の中学生が二等兵として従軍した記録なのだが、あまりに凄惨な戦場のありさまに手が震えてしまう。絶望的な戦況にも拘わらず、最後まで名誉ある陸軍軍人として生を全うしようという純粋さと、容赦のない米軍の攻撃のコントラストが凄まじい。戦争は大本営参謀で起こっているのではなく、戦地で起こっているのだという事を痛感し、人間がここまで極限の状態に置かれた時にどうなってしまうのかを知る事で肌に粟が立つのである。
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