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3 人中、3人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
お喋りな夢魔と人間達,
By ゴン狐 (東京都) - レビューをすべて見る
レビュー対象商品: 死霊(2) (講談社文芸文庫) (文庫)
この巻は全編白い霧、暗い闇と不透明な靄がかかった背景に包まれている。夏の明るい日差しの下、透明な川の流れに身を任せて主人公を取り巻く人物達が喋り捲る場面さえ、暗い影を感じる。ことに高志が語る過去の同士への制裁、明らかにされる死者の影、付きまとう夢魔の場面はモノクロームの中に閉ざされて読んでいて湿り気さえ感じる。暗い印象の背景に反して、始終議論に興じている首猛夫やお喋りで作者に翻弄されている読者の代表のような津田夫人はともかく、高志・与志の兄弟を始め、与志の婚約者安寿子や寡黙な黒川までがよく喋る。登場人物が各々の思いを抱えて明らかにしようと会話が進むため、死霊(1)に比べて物語が解り易く面白い。(1)で尻込みしてしまった人にもお勧め。
3 人中、2人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
第一の山場をどう解釈するか,
By かたやまみちお (京都) - レビューをすべて見る
レビュー対象商品: 死霊(2) (講談社文芸文庫) (文庫)
だらだらわけのわからない、議論を続け、周りはうす気味悪いこと限りなしの「死霊」。家に帰った三輪与志は瀕死の兄と対面する。 兄は息絶え絶えの中、悪魔との対話を語る。 その悪魔の捕らえ方が面白い。フッと首を横向けただけで つかまるんだとか(笑)。人のやることを3倍の速度でこなしてきた 首猛夫。(くびったけ、埴谷はドストエフスキーに影響されだじゃれか
5つ星のうち 5.0
宇宙の彼方を見る埴谷節,
By 魏 - レビューをすべて見る
レビュー対象商品: 死霊(2) (講談社文芸文庫) (文庫)
第五章「夢魔の世界」で、本格的な主題の展開がなされる。その、どこの世界の話なのか分からなくなる文章は十分衝撃的である。
おそらく、この作品でなければ自分の目指すところが示されない人がいるのである。そう考えると、人間も捨てたものではないと思われたりする。 人間は、生まれてからいろいろ学び取る。その一つに、「考えても答えにたどりつかない」というのもあるはずだ。特に学校教育でそのことを不本意にせよ学び取ってしまうのだ。問題を提示されて、何時間も考えて出した答えにバッテンをつけられてしまうからだ。解説で鶴見俊輔が言っているように、埴谷氏は知識人ではあるが日本の教育の線から外れた人間で、エリートではないのだ。そういう、知に関して異端な人間だからこそ、間違っている可能性があるとしても、考え続けることができたのだろう。もっとも、それは合っているか違っているかなど問題ではない、「芸術」として現れたのかもしれないが。
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