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死者の長い列 (二見文庫―ザ・ミステリ・コレクション)
 
 

死者の長い列 (二見文庫―ザ・ミステリ・コレクション) [文庫]

ローレンス ブロック , Lawrence Block , 田口 俊樹
5つ星のうち 4.0  レビューをすべて見る (4件のカスタマーレビュー)
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商品の説明

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 「マット・スカダー」シリーズの12作目。150年もの長きにわたり、会員の世代交代を繰り返しながら、年に1度の秘密の会合を続ける男たちの集団「三十一人の会」。現在のメンバーになってから32年後、会員の半数近くが相次いでこの世を去っていることが判明。偶然とは思えない死亡率の高さに不審を抱いた会員の依頼を受け、私立探偵スカダーは調査を開始する。

   著者の抱える人気シリーズはどれもニューヨークを主な舞台としている。その中でも歴史が最も長く、最も読者から支持されているのがこのシリーズだ。本書では都市生活者の苦悩と孤独を描くこのシリーズの通底音はそのままに、純粋な謎解き小説の要素も加わり、新境地を見せてくれている。またスカダーと恋人のエレイン、相棒のTJとのやりとりもより軽妙なものとなり読者を楽しませてくれる。スカダーとエレインの関係は本作で新展開を迎えることとなるが、こうした変化に一喜一憂するのもこのシリーズの醍醐味のひとつだ。

   ハードボイルド小説に分類されることの多いこのシリーズだが、主人公はアルコール依存症に苦しんだ過去を持つ人間であり、単なるタフ・ガイではなく奥行きのある人間として描かれてきた。それだけに従来のファンには私生活も仕事も順調なスカダーに、物足りなさを感じる向きもあるだろうが、ストーリー展開のおもしろさと会話の妙はそれを補って余りあるものだ。シリーズ最高作と推す人が多いこともうなずける、大人向けの極上ミステリーに仕上がっている。(工藤 渉)

内容説明

In Manhattan, 30 men have been meeting once a year for years, their only purpose to record the passing of time. But then these men start to die at an alarming rate, and it's clear that someone is determined to kill them all. Scudder takes on the case, unprepared for its emotional repercussions. --このテキストは、 ペーパーバック 版に関連付けられています。

登録情報

  • 文庫: 510ページ
  • 出版社: 二見書房 (2002/11)
  • ISBN-10: 4576022040
  • ISBN-13: 978-4576022048
  • 発売日: 2002/11
  • 商品の寸法: 14.8 x 10.6 x 2.2 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 4.0  レビューをすべて見る (4件のカスタマーレビュー)
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5 人中、5人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By kii
形式:文庫
僕はここでスカダーもののレビューをいくつか書いてきたが、決まって「プロットはそれほど凝ってはいないが、スカダーの存在感で読ませる」という類の内容だったと思う。しかし、なんとなく読みそびれていた本書を手にしてびっくりー緻密なプロットに支えられた「本格推理小説」の様相を呈しているではないか!

年に一度、秘密の会をもよおす31人の男たちーここからしてもう推理小説のノリだ。そのメンバーが30年かけて半数近く殺されていくという途方もないスケールの事件をスカダーが調べ始める。そんな状況でもスカダーの調査は相変わらずだ。そこらへんの混ぜ合わせ方が絶妙。これが同じブロックでも、バーニイのシリーズになると(たとえば「泥棒は図書室で推理する」)完全にパロディになってしまうのに、こちらはちゃんとスカダーものとして立脚している。

わりあいと早くに犯人がわかってしまうのはご愛嬌だが、ミック・バルー(スカダーとのお喋りが最高)とAAの集会が重要な複線となっているところなど、ブロックのうまさには舌を巻く。そのほか、エレイン、TJ、「ハード・ウエイ・レイ」など脇を固めるキャラクターもしっかりと機能していて、初期の「ネクラなアル中探偵」の物語ーという範疇にはもはや収まりがつかなくなっている。
僕はその頃のほうが本当は好きなんだけどな。

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1 人中、1人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
おいぼれ熊 2004/2/23
形式:文庫
スカダーシリーズの初期の頃とか知らなく、この一冊を手にとっていたらどうだったかな・・・本作中で調査対象の秘密の会のメンバーの人生と自分の過去から現在までを比較し、恋人である同居人に話すシーンを読むと過去の「飲んだくれるおっさん」が55歳にして立ち直ってしまう良い話になってしまったかもしれないな。少々のんだくれるため、安ホテルの家賃のために「人に便宜をはかる」が薄れて(スカダー自身はまだそのつもりだが)立派な推理探偵になっていく。教会に十分の一税を払わなくなって、コーヒにバーボンを入れなくなってどのくらいになるかと思いながら読ましていただいた。脇役の充実感もかなりなもの。私は、夜、自分自身で静かにした時間に「おっさん、少しは一緒に飲もうよ」と最近思ってしまう。ファンの一人です。
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By nno
形式:文庫
すっかり真人間になってしまったマット・スカダーに困惑。

この世の全ての罪と悪を、自分の責任であるかのように背負い込み、酒におぼれ、稼いだ金を教会に寄付し、さながら聖人か苦行僧のような生活を送っていたスカダーが、よくもここまで更生(?)したものだと感慨深くもあり、同時にどこか不安でもある。もはや教会には行かず、彼が殺した少女を思い起こすこともない。それはようやくにして彼が罪の意識から開放されたからなのか、それとも単に歳をとって忘れているだけなのか、ちょっと分からないのだ。
そして結末も、かつてのスカダーからは考えられないものだ。生と死、罪と罰、八百万の死に様を見続けてきたスカダーをして、選んだのがこの結末なのか。時には犯罪者を自らの手にかけ、「神の役割」を演じてきたスカダーが、ようやくにして「神のものは神のものに」返すことができたと解釈すべきなのか。この心境の変化は、ブロックのそれとも少なからず関連しているようで興味深い。
余談ながら、犯人特定の決め手となるある要素、マイケル・コナリーの某作品のそれとまるっきり同じである。でも、探せば別の小説にもあるようなネタだし、このくらいはご愛嬌かな。
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