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死者と踊るリプリー (河出文庫)
 
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死者と踊るリプリー (河出文庫) [文庫]

パトリシア・ハイスミス , 佐宗 鈴夫
5つ星のうち 4.5  レビューをすべて見る (2件のカスタマーレビュー)
価格: ¥ 1,029 通常配送無料 詳細
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商品の説明

出版社/著者からの内容紹介

『太陽がいっぱい(リプリー)』で有名なリプリー・シリーズの完結篇。後ろ暗い過去をもつトム・リプリーに、彼が殺した男の亡霊のような怪しいアメリカ人夫婦が亀裂を入れ始める……。『贋作』の続篇。

内容(「BOOK」データベースより)

映画でも有名な『太陽がいっぱい(リプリー)』から始まるトム・リプリーが主人公のシリーズの第五作目、完結篇。さまざまな後ろ暗い過去があるが、それでも平穏なリプリーの暮らしにある日、プリッチャードというアメリカ人の夫婦がわずかな亀裂を入れる。リプリーが殺害した男の亡霊のようなその夫婦の存在が、彼を不気味に悩ませていく。『贋作』の続篇。

登録情報

  • 文庫: 536ページ
  • 出版社: 河出書房新社 (2003/12/7)
  • ISBN-10: 4309462375
  • ISBN-13: 978-4309462370
  • 発売日: 2003/12/7
  • 商品の寸法: 14.8 x 10.8 x 2.2 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 4.5  レビューをすべて見る (2件のカスタマーレビュー)
  • Amazon ベストセラー商品ランキング: 本 - 601,338位 (本のベストセラーを見る)
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8 人中、6人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By 志村真幸 トップ500レビュアー VINE™ メンバー
形式:文庫|Amazonが確認した購入
 『太陽がいっぱい』で登場したトム・リプリーのシリーズの最終作。内容的には『贋作』の続編に当たる。
 さまざまな犯罪を犯してきたが、いまはフランスで優雅な生活を送るリプリー。しかし、近所に越してきたアメリカ人夫婦がリプリーの過去をほじくり返し始めたことによって、次第に不安が高まっていく。

 リプリーの自己正当化、逡巡、他者を切り捨てる独特の性格は相変わらずで、淡々としたハイスミスの筆致と良くマッチしている。他にはシリーズものをまったく手がけなかったハイスミスがリプリーものだけは5作も執筆した理由がよくわかる。

 ただ、不満の残る作品でもある。結末のカタルシスがあまりに不完全なのである。しかし、むしろ、そこをを味わうべきなのか。

このレビューは参考になりましたか?
2 人中、1人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
形式:文庫
本書はトム・リプリーを主人公にしたシリーズの第5作目。シリーズ過去4作の‘売り’はトムの知能犯ぶりだったが、本書で作者はサスペンス小説をベースにホラー小説的な要素も取り入れ、トムと読者にこわ〜い想いをさせる。
トムにつきまとい、恐怖に陥れるのは、デイヴィッドとジャニスのプリッチャード夫妻。彼らはトムの自宅そばに引っ越してきた。お近づきのしるしにと自宅にトムを招くと、過去のトムの悪事について何枚かカードを切ってみせる。殺人をはじめ、後ろめたいことを山ほどかかえているトムは、彼らはCIA職員だろうかとまで考える。だが、ジャニスによれば夫に動機はない。トムが気に食わなくて面白半分に困らせているのだ。デイヴィッドは、トムと妻エロイーズのモロッコ旅行にまで追っかけてくる。このストーカー的追っかけが物語を不気味に盛り上げていく。
ホラー的な要素を挙げるなら、第1に死者からの電話である。トムがかってはからずも殺してしまったディッキー(第1作『太陽がいっぱい』)から電話がかかってくる。いったい誰のいたずらなのか? 第2に、これまたトムがはからずも殺してしまったマーチンソン(第2作『贋作』)の死体が水底からもどってきた。デイヴィッドが川を浚ってマーチンソンの白骨死体を引き揚げ、トムの家の玄関に放置したのだ。助手まで雇って川浚いに精を出すデイヴィッドも不気味だが、トムが、マーチンソンの身元確認につながるものはないかと、白骨死体のあちこちをチェックしていく描写は、実に不気味。
そして、トムとデイヴィッドの対決は「滑稽なホラー物語」(438ページ)として幕を閉じる。ジャニスが「雨が降ると、池は人が溺死するほどの大きさになりますわ」(74ページ)と描写したプリッチャード家のそばの池へ、トムはマーチンソンの白骨死体を仕返しに投げ込み、何事かと様子をみに出てきたデイヴィッドがまず池に沈む。助けにきたジャニスが夫の手を取ろうとして逆にいっしょに池に沈み2人とも溺死してしまう。このドタバタシーンの描写はまさにコント仕立て。しかも2人のそばには白骨死体があるわけだから、事情を知らずに現場を見た人はたまらなく不気味。トムと仲のよい隣人で、プリチャード家の隣人でもあるアグネス・グレによれば、「黒魔術みたい」(464ページ)な光景なのである。
何はともあれ、シリーズ5作目にして初めて、トムは殺人を犯すことなく敵を葬り去った。そして、残念なことに、作者パトリシア・ハイスミスの死により、本書をもってトム・リプリーシリーズは終わりを告げた。
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