霊的存在を死者と見立てる場合、二類型になってしまう、と思った。
一つは、花が咲く/枯れる、提灯の火が点く/消えるなどということとシンクロして現象としてははっきりとその神秘さが感じられ理解されるのに、それがはっきりと死者の人格を保っているわけではないということである。
もう一つは、人格的個性ははっきりとしているのに、名前が出てこない、在る事、存在することは判っているのに、それがどのようなものでどのように在るか、を説明し言葉にしようとするとなかなかできずに、そういう者としてしか表現できないということだ。
これは、霊的存在が実際、死者ではないということを示しているのかもしれない。が、勿論、死者との距離がそういうものでしかないというだけのことかもしれない。
こういう短編集を編むということは、普通の書籍にはない編者の才覚から蒐集力までが存分に発揮されることから、著者とは別に編者が前面に出て来ざるを得ないことも本企画を面白くしている点の一つであろう。