「仕事だからだ」
人の死の1週間前に派遣され、その死について「可」または「見送り」の判断をするのが死神である彼の仕事だ。「人の死には意味がなくて、価値もない」。彼はどんな立派で愛すべき人間であろうとも淡々と「可」の判断を下す。そして彼はまた今日も対象者の下に派遣される。外はいつものように雨・・・
伊坂節全開の短編集。伊坂ファンにはおなじみのクールでスタイリッシュな会話の数々や雰囲気を盛り上げる音楽の登場。表紙や各編の冒頭を飾る味のある写真たち。深遠でありながら軽やかな会話に酔いしれること間違いなしです。
構成も見事。ぱっとしない若い女からヤクザ、殺人犯、老女まで。一見つながりのないこれらのお話。でも実は・・・これは最後まで読んでのお楽しみ。なお、おなじみの「他の作品のキャラ」とのオーバーラップももちろんあります。伊坂ファンにとってはうれしい限りです。
死という重いテーマの作品でありながら、エンターテイメントとして十分に楽しめます。全部の章を読み終えたとき、あなたのこころは爽やかに晴れ渡っていることでしょう。