第二次世界大戦後に死海のほとりの洞窟で発見された古い古い写本である死海文書は、この前のユダの福音書のようなセンセーショナルな物であった。
本書はその死海文書の発見にまつわるエピソードと、その文書が作られた時代の背景について詳しく解説している。
まず、世界大戦の余波とそれに続く不安定な中東情勢のあおりを受ける中での文書類の発見について紹介される。
ユダの福音書発見の時に似て、現地の人が発見をして、売買をしていくが、本物かどうか怪しまれたり、社会情勢のせいで移動もままらなかったり、
苦労も多かったようだ。以降の章ではキリスト教黎明期のユダヤ教や、その当時の政治情勢(ローマ帝国の支配や反乱など)を詳説。
また、発掘作業についても詳しく語られている。死海文書そのものについてや、文書の内容がキリスト教史やキリスト教理解に与えた影響についてよりも、
調査作業や時代背景に関する事柄にくわしい。知の再発見双書の常として、豊富なカラー写真や図版は見所である。
巻末には遺跡に言及した古代の文献や、発掘作業のリアルな様子などがまとめられている。