一兵士からの目線で書かれた臨場感あるビルマ戦闘記。英米中の連合軍と日本、戦場の最先端はどのような様子だったのか。
常に不足している弾、睡眠不足、栄養失調というひもじさ、第一線の戦闘部隊が生死の境で悪戦苦闘する。
私は、戦法戦略うんぬんよりも、兵士同士の人間関係の様子が面白かった。
同じ日本兵と言っても性格は様々。天皇の笠を着て威張る上官がいたり、保身と私欲の塊のような人物がいたり、部下を置き去りにして退避する将校や、すぐに逃げ帰ってくる臆病な兵士がいたり、祖国のために健気に戦った将兵がいたり、立派な人格者がいたりと、ホントにピンキリ。
出身地別にも気質も違う。南国沖縄出身は正直で飾り気の無い人柄で、商人の街関西出身はドケチで、九州男児は負けん気が強くて気性が荒い。
「上官の命令は朕の命令と心得よ」と訓されていたのに、関西人が命令を無視して高見の見物をしていた。損得勘定が強い関西人は、理不尽な命令には従わない傾向があったようだ。
昔は今より地域ごとに気質の違いがはっきり分かれていたのだろう。
首脳陣は机上だけの作戦計画で危険な命令を下しておきながら、いたわりの言葉もかけずに、視察もせず、安全な後方でぬくぬくとしていた。
こういう愚将は恨まれても仕方ないだろう。
若くて経験不足な上官が、無謀な突撃をさせようとするという話には笑った。元ネタは子供のころに読んだ絵本の中に出てくる勇敢な日本兵だという。現実を知らずにかっこつけようとする上官に付き合わされる下っ端はたまったもんじゃないだろう。