他の方も書かれている通り、これを無期服役中の人が書いているとなるとどうしても
おかしなところがある。著者の年代と内容と無期という判決からしても合致する事件が
みつからない。「実話?」「創作?」と余計なことがずっと頭から離れず、こちらもどんな
スタンスで読めばいいのか解らない。
内容は一言でいえば、塀の中の人は反省していないよ、ということ。反省していない事例が
沢山書かれている。塀の外でも被害者の人権より加害者の人権が尊重されているのでは?と
思うことが多いが、実際服役してもそれはかわらないようだ。テレビも見れて、外にいるよりも
労働は少なく3度の飯は保証されている。
しかし、私は死刑は現在肯定派だが、それでもこの本での「他の奴らはこんなに反省していない」
という描写に関しては、それは著者の主観ではないかと思うことが多かった。刑務所の実際の
処遇については事実であろうが、他の死刑囚の内心はわからない。著者の想像の部分が多い。
さて、著者は自称IQが高くて活字中毒で学はないけれども頭はいいとのこと。わざわざ理性的な
文章を書き、ちょっと難しい専門用語も使う。しかし根本的な「長年はいっていて自分はこんなに
反省してしっかりしているが、他人はこんなにいい加減」の「自分はしっかりしている」の部分が
浅いことが怖い。頭のいい中学生や文学青年かぶれの高校生にたまにこういう文章を見る。
文体と中身が合致していない。言い様のない気味悪さを感じた。ホラー。