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この本の主人公サンソンは代々死刑執行人を務めた家系の4代目。そしてルイ16世をギロチンにかけた人物です。これまで、フランス革命では全員が熱狂に浮かされていたのだろうと考えていましたが、この本を読むと中には心穏やかに平和に生活していきたいと切望していた人がいたということがわかります。しかし、皮肉なことにこの人物は死刑執行人として歴史の表舞台に引きずり出される宿命が待っていました。
人間とは勝手なもので、死刑に賛成する人でも死刑執行人は忌み嫌うという矛盾したエゴイストです。また、まじめに職務を全うすることが結果として非人道的な行為となってしまう問題も、現在でも健在です。
このサンソンの物語は現代の社会でもまま垣間見られることです。単なる歴史物としても読んでも面白いのですが、現代社会について考える参考にもできる作品ではないかと思います。
ギロチンの導入により、死刑がかえって安易に、大量にこなせるようになってしまったとの指摘は、「より人道的な処刑方法」というギロチンの一般理解を修正する。専門家にはあたりまえのことかもしれないが、私には新鮮であった。
どこまでが史実であり、どこからが脚色なのか判然としない部分もあるが、読み物として非常に楽しめる一冊。
サンソン家はブルボン王朝時代からフランス革命を経ても死刑執行人として数々の処刑を行った。ルイ16世も刑場の露と消えた一人である。
フランス革命の一つの象徴ともいえるギロチンの誕生にルイ16世が絡み、最期には自分の首を落とすことになったこと。ギロチンが本来は一瞬で、苦痛なく処刑するための道具として開発されたが、あまりに容易に処刑出来るためにかえって死刑を増やしてしまった。理性こそが残酷な事態を招いてしまったという現実。
国王を敬愛しながら職務上、国王を処刑せざるを得ず、その意味の重さに苦悩する姿。
フランス革命は自由と進歩の面が強調されているが、その背後には多くの血が流されたことは周知の事実である。本人が望まないにも拘わらず革命の流血のある種の先端にいざるをえなかったシャルル・アンリという特異な人物によってフランス革命のまた別の一面と価値が発見される。
原資料の回想録を読んだことがないから何とも言えないが、死刑に反対するヒューマニティーや国王への敬愛の念が強調されすぎでは?という感もないではない。文章は読み物的で、情緒に流れる部分もあるが、非常に面白く、興味深く読むことが出来た。
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