監察医として長年経験された事例から、著者本人の考えを投影された本です。
興味深い内容が続き、また文体も簡易で、とても読みやすくあっという間に
読破できました。
様々な事例から、予想外の死因がつきとめられたり、殺人!?と思われたものが
実は自殺だったり、その逆だったり・・・そういった事象を知ることも、知的好奇心を
くすぐる(不謹慎ですが)ことになるでしょう。
しかし、著者がそもそも主張したいことは、本文中でも何度も繰り返されている、
「死者としての人権を守る」こと、ひいては、「死して尚、名医にかかるべし」
と、言うことです。これまで、漠然としか「死」に関しては考えたことがなかったの
ですが、例えば、勤務上の死か否かでの「労災」適用、不慮の事故か否かでの「傷害
事故」適用等で、保険の受取金額が大きく左右されたり、他殺による無念の死による
ものが、自殺と判断され、永久に無念が残ることも、想像されます。
そういった意味からも、監察医制度が全国津々浦々に行き渡っていない事実に、
底知れぬ不安感を抱きます。
とまれ、最初はタイトルに引かれた、等の知的好奇心からでも、気軽に(失敬ですが)
この本を手に取り、その中から読者なりの思考を巡らしていただければと存じます。
読み物としては、軽いタッチなので、あっという間に読むことができますよ。