著者はアメリカ人で、旅行好きの女性。
物語は度々脱線し、軽妙なウィットに富んでいる。
極論すると、この物語は、本線よりも脱線の部分の方が多いと言えるくらいだ。
また、物語はたっぷりの旅情を伴うが、いかにも旅行好きという、著者らしい描写だ。
物語全体のうち、前半は、ユーモアを楽しみながら読み進む。
後半、特に、終盤に近づくにつれて緊迫感が増し、手に汗握る様になってくる。
途中、アメリカVSスイスという想定で、食品添加物をめぐって、
皮肉合戦を繰り広げる部分があって面白いが、食品添加物を極度に悪と決めつける、
ヨーロッパ的感覚にも、考えさせられたりした。
軽妙なトラベルミステリーだ。
原題は Alpine for You であるが、日本語タイトルへの翻訳は巧みだ。
全部読み終わると、この日本語タイトルが実感出来るが、気軽に楽しく読める。