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死を想う―われらも終には仏なり (平凡社新書)
 
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死を想う―われらも終には仏なり (平凡社新書) [新書]

石牟礼 道子 , 伊藤 比呂美
5つ星のうち 3.8  レビューをすべて見る (4件のカスタマーレビュー)
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商品の説明

内容(「BOOK」データベースより)

寝たきりの母を持つ詩人は、死とはどういうものか知りたかった。他の人にあけすけに聞けない、「でも石牟礼さんなら」。これまで多くの苦しみと死を見つめてきた作家は、切実なことをぐさりと言われたような気がした。こうして十二月の穏やかな日、二人は語りはじめた。老いと病、介護・看護、家族の死、さらには『梁塵秘抄』。そして「いつかは浄土へ」という祈りに至る安らぎの対話。

著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)

石牟礼 道子
1927年熊本県生まれ。作家・詩人。『苦海浄土』(現・講談社文庫)で1970年に大宅壮一賞に選ばれるが受賞を辞退。73年マグサイサイ賞、93年『十六夜橋』(現・ちくま文庫)で紫式部文学賞、2001年度朝日賞、『はにかみの国 石牟礼道子全詩集』(石風社)で02年度芸術選奨文部科学大臣賞を受賞

伊藤 比呂美
1955年東京都生まれ。詩人・作家。1999年『ラニーニャ』(新潮社)で野間文芸新人賞、2006年『河原荒草』(思潮社)で高見順賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

登録情報

  • 新書: 211ページ
  • 出版社: 平凡社 (2007/05)
  • ISBN-10: 4582853714
  • ISBN-13: 978-4582853711
  • 発売日: 2007/05
  • 商品の寸法: 17 x 10.6 x 1.6 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 3.8  レビューをすべて見る (4件のカスタマーレビュー)
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By 天使のくま VINE™ メンバー
形式:新書
 石牟礼道子といえば、水俣病をテーマとした「苦海浄土」の作者ということでよく知られている。唯一、池澤夏樹の個人編集世界文学全集に収録される日本の作品でもある。
 その石牟礼に対談を申し込んだ伊藤比呂美は、これまでは性をテーマとして扱ってきた詩人である。「日本霊異記」を語り直した「日本ノ霊異ナ話」の生命力あふれるエロスの朗読を聴いたことがあるけれど、ほんとうに帰化植物のように自身カリフォルニアに移住してしまった、その生命力が作品となっている。
 けれども伊藤には熊本在住の老親がいる。要介護認定されている両親の介護のために、熊本とカリフォルニアを往復している。そうした中で、死というのがどういうものなのか、意識するようになった。そして、同じ熊本在住の「苦海浄土」の作者と会うことにしたというわけである。
 伊藤が石牟礼から引き出す話は、死について手触り感のあるものだ。子供の頃の身近な死、水俣病による死者の解剖に立ち会う場面、そして自身がパーキンソン病によって不自由になってきていること。さらに話題は仏に及ぶ。死は、いずれはやってくるものだし、死んだら未練もあるだろうけれど、とにかくそれは、そこにあるものとしてある。石牟礼は尊厳死をめぐって、自分でトイレに行けなくなる状態であれば、もういいと言う。自分が自分であるということが生きるということなのだとすれば、そこで人生がいつ終わってもいい、ということだろうか。そうした、生の果ての死に対し、どうしようもない生命力を詩にしてきた伊藤が呼応する。
 最後は、石牟礼の創作による「お経」を読むところで、対談が終わる。
 多分、死に向かって楽しく生きる、というのはアリだと思う。悲惨なものなどではなく、仏になるときはなる、という。それがリアルな死なのかもしれない。
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4 人中、4人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By BLUCE VINE™ メンバー
形式:新書
「これ(梁塵秘抄)は平安時代の終わりごろにまとめられたものですが、
千年も昔の人々の気持ちというんじゃなくて、今、、、今の現実とちっ
とも変わらないですね。」

この本を読むと、「梁塵秘抄」を読みたくなります。

「人生の終わりには死がひとしなみに待っている。それまでの耐えがたい
苦しみが消えるのである。最後の、とっておきの最大の楽しみ、終わりの
刻が、必ず来ると思えば何という救いであろうか。」

死が最後の最大の楽しみ、か。
今ならわかる気がします。
このレビューは参考になりましたか?
3 人中、3人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
形式:新書
 タイトルがいい。死を「想う」(「思う」、ではなくて)。つまり、過去に見聞きしたり、看取ったりしてきた死を「想起」すること、これから死ぬであろう老いた両親や近しい人、あるいは自分自身の死を「想像」することであって、死を「思考」したり「思念」したりすることとは無縁なのです。過去や未来のことを想って、嘆き、悲しみ、不安がることを、仏教では「妄想・分別」として否定します。むしろ、死そのものを直視すること、いま、ただ今生きているこの我が身にも死が張り付いていることを強く思念し、体得(直証)することを奨励します。この本はそういう求道的精神とはまた別です。具体的な、身近な問題としての老・病・死をめぐっての真剣な対話です。質問者(主に伊藤さん)は容赦ありません。ふつうなら聞きづらい微妙なことも敢えて問います。答える方(石牟礼さん)も逃げることなくはぐらかすことなく率直・素直に答えています。とくに石牟礼さんは、実に多くの身近な人・有縁の人の、不条理な病い、老い、そして死を、文字通り体験してきています。
 副題の「われらも終には仏なり」というのは最初は奇異な感じがしますが、『梁塵秘抄』の一節であることが少しずつ明らかになってきます。この少しずつというのが、押しつけでなく、とてもいい。この本の読者の多くが、『梁塵秘抄』に興味を覚えることでしょう。
 裏表紙には「『いつかは浄土へ』という祈りに至る安らぎの対話」とありますが、これが本当に「安らぎ」になっているのかどうか。それは、「対話」を読んだ私たちの課題でしょう。
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