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死の枝 (新潮文庫)
 
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死の枝 (新潮文庫) [文庫]

松本 清張
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登録情報

  • 文庫: 297ページ
  • 出版社: 新潮社; 改版 (1974/12/16)
  • 言語 日本語
  • ISBN-10: 410110932X
  • ISBN-13: 978-4101109329
  • 発売日: 1974/12/16
  • 商品の寸法: 15 x 10.6 x 1.2 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 4.0  レビューをすべて見る (3件のカスタマーレビュー)
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最も参考になったカスタマーレビュー
6 人中、5人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By nh
これは推理小説なのか? こういう推理小説もありなのか?
ありとすれば、なんとぼくの頭の固いことか! 先入観、ぼくは持っていないと思っていたら、まだまだ色眼鏡で見ていたということがよくわかる。

松本清張といえば、「真面目」に推理小説を書く人だと思っていたが、こんな実験的なこともやっていた。

探偵役の人が推理して、犯人側の仕掛けたトリックを見破るのが推理小説なのだけれど。
この「死の枝」には、異質の小説がそろっている。

トリックは見破っているが、その証明はされていない。想像だけで終わっているとか。
エッチな本を読み聞かせて興奮したので、あいつはニセ狂人だとか。
トリックは見破ったが、それは犯人逮捕にはつながらないような、とか。
妄想だけとか。

とにかく、これでは推理小説として未完成なのではないかと思うのだ。
しかし、小説としてはこれで十分面白いのだった。

松本清張。底の見えない作家だ。
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1 人中、1人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By A-san トップ500レビュアー
Amazonが確認した購入
「死の枝」は十一編の連続短編集。

交通事故死亡1名:タクシーが引き起こした交通事故は、乗客が周到に仕組んだ罠だった。最後まで飽きさせない佳作。

偽狂人の犯罪:完全犯罪を全うする難しさより、心神喪失者になって無罪を勝ち取る方が簡単と判断し、主人公は徹底的に精神異常者を研究する。結末は予想通りだが、検事の顛末はだれも予想できないであろう。

家紋:解決の方向性も見出せずまま終わりを迎える小説。試験的作品か。

史疑:新井白石の価値ある原本をめぐり、新進気鋭の考古学者が蔵書マニアの老人を殺してしまう設定。清張ならではの素材。

年下の男:プライド高き女性が年下の男に捨てられたと思われたくないために殺人を決行する話。

古本:時代に乗り遅れた作家に巡ってきた願ってもないチャンス。過去の種本をそのまま書いたことでその子孫からゆすられるという話。作家の苦悩が垣間見れる。

ペルシアの側天儀:珍しい形のペンダントから犯人の足がついたという話。

不法建築:昭和四十年代の不法建築の実態とその素材を使った著者の大胆な発想が面白い作品。

入江の記憶:妻の妹と関係を持った主人公が、自分の父に思いを馳せながら父と同じ行動を取ろうとする。

不在宴会:主賓のない宴会を開いたことにして会社の経費で落とすという発想は面白いがエリート官僚の最後の告白は余りに軽率すぎてリアリティに欠ける。

土偶:主人公の不可解な行動が、結局十二年前の秘密をばらすことになったという話。人間、悪事に関してはどこまで行っても逃げ切れないものなのかもしれない。
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By hikagemono トップ1000レビュアー
もともと雑誌発表時には「十二の紐」と題されていたが、11作しか書かれなかったので『死の枝』と改題された作品集。
たとえば第3話「家紋」には、もともと「橙色の紐」という副題が付いていた。
1編1編の色が異なる紐で犯罪のタペストリーを作るのが、本来の意図だったのだろう。
それが、犯罪心理という根幹から、様々な方向に伸びた11本の『死の枝』のイメージに変更された。
いずれにしても、ここでは論理的なパズラーに限らない、様々なミステリの方向性が示されており、その多様性を楽しむべき1冊と思う。
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