まず、「鬼貫警部最大の事件」というキャッチコピーにつられると、肩すかしを食います。
婚約も決まり、前途洋々であったはずの石山真佐子は、突如、未知の場所であるはずの阿蘇山火口より投身自殺を遂げる。
一方、東京の整形外科で看護婦を勤める春日鶴子は、医師である百済木と金沢を旅行中、内灘海岸で三発の銃弾を浴び射殺される。
百済木には鉄壁のアリバイがあった・・・。
この二つの事件が交わるのが、211ページ。
鬼貫の名前が初めて登場するのが、332ページです。忍耐強さが求められます。
鬼貫の聞き込みの最中に車掌が言った、「先日も刑事さんの訪問をうけました。一つの事件を解決するためには、大変な努力が必要なものですな」という一言が、本作を象徴しています。
新潟県警の伴刑事はよく歩きました。