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本書はぜひ,20代の方にも読んでおいて頂きたい。私は20代の中盤ですが,最近ようやく実感を伴ってきた体力や記憶力の衰えの延長上に「老い」があること,「骨を噛むような孤独(P. 10)」,「判こや小銭入れや手袋の片一方や,メガネケースが,まるで神隠しにあったようにひょいとなくなる(P. 11)」ことが,いつかは自分が辿る道であることに愕然とさせられます。仏教の開祖・仏陀が王子時代に王宮の3門で老・病・死の苦しみを見て精神の救いを求めたのも当然と思われます。それほど「老い」は古典的な恐怖で,避けようがないものです。ですから,出来るだけ早く「老い」に対する理解を深め,対策を練り,心構えをつくることが肝要ではないでしょうか。
また,老人の世界には若者の世界と同様,見栄も外聞もありまし,いじめもあれば確執も恋愛もあります。そうした人間の醜さ,特に老醜が目立つがゆえに,かくしゃくとご自分のことを意思決定し,子孫に墓や遺産のことで煩わせずに世を去られる方の美しさ・手際の良さが際立つのでしょう。良く死ぬことは,良く生きること,それは段取りと心構えに通じるという認識を新たにさせられた一冊です。
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