「まんがで読破」シリーズの中でも、他とは、すこし変わった構成です。
そもそも原書の『死に至る病』は、論文のように、ずらっとテンポよく哲学を論じている本。その内容を紹介するために、このマンガ本では、一人の悩める男子高校生というキャラクターを設定しています。自分が自分らしくないことに悩む高校生。家では親の機嫌を伺い、学校では級友たちの顔色をみることに汲々としている。こんな自分では生きていても仕方がないと絶望し、自殺したほうがいいのかもしれないと思い始める。その姿を伯母に見つかる。伯母は、彼の悩みを聞いてあげ、「絶望とは死に至る病である」というキルケゴールの言葉を思い起こす。そして、甥と対話しながら、『死に至る病』で考察された「絶望」の意味を教えていく。
およそ、このような展開である。
キルケゴールの半生も織り交ぜながら、悩める高校生に教えていくという設定なので、高校生でも分かる。哲学など専門外と思って避けていた人にも読めると思う。キルケゴールの哲学について、相当に理解を深めたスタッフによって仕上げられた逸品だと思いました。