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最も参考になったカスタマーレビュー
9 人中、8人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 4.0
葬祭文化の危機をこえて,
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レビュー対象商品: 死に方を忘れた日本人 (単行本)
仰々しいタイトルだが、都会では高齢者ですら葬儀の作法を知らないという、「死に方」の社会的コンセンサスが急速に失われつつある現状への危機意識から書かれた本である。生半可な知識と俗説にみちた「マナー本」をわざわざ細かに批判しているのにはちょっとひいたが、著者が葬儀の歴史にも業界の実態にも実によく通じているがゆえの技芸だろう。葬儀現場の死体をめぐる衛生対策の不備に対する警告もするどい。著者は葬儀を「古い人間である身体としての人間が死に、新しく霊としての人間が生きるための加入礼(イニシエーション)としての秘儀」であるとする。それは長らく仏教葬儀を通して理解されてきたが、その仏式葬儀はいまだ多勢をしめるとはいえ、その自明性は薄れてきている。日本人は仏教徒だから仏式葬儀を選んだのではなく、仏教儀礼こそが死者をあの世に送ることができると考えそれを実行してきたのだ。とするならば、その仏教葬儀が形骸化しつつある今、私たちはどんな新しい「死の儀礼」を模索するべきなのであろうか?そのヒントは本書に、わずかながら示唆されるにとどまる。
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