ドイツが生んだ世界最大のSF連作長編・宇宙英雄ローダン・シリーズ第9巻。余裕すら感じさせる筆運びで本巻を執筆するのは、お馴染のマールとダールトンです。遂にローダン・シリーズのお笑いアイドル的存在のネズミビーバー・グッキーが登場します。一本牙にぴいぴい声で話す愛嬌たっぷりの憎めない悪戯者、それだけでなく正義感に溢れていて、テレパシー・テレポート・サイコキネシスと全ての能力を有するスーパー・ミュータントなのです。彼の存在は、シリーズの性格を一気にリラックスさせてくれたと思います。
『死にゆく太陽の惑星』クルト・マール著:不死者は惑星フェロルからローダンらをフィクティヴ転送機によって未知の宇宙空間へ送り込む。そこで一行が遭遇したのは、荒れ果てた惑星だった。トラムプ(放浪者)と名付けられた惑星には、2本足で立ち上がるビーバー種族が住んでいた。そして、ローダンらに次々と怪事件が襲い掛かる・・・。『ツグランの反徒』クラーク・ダールトン著:トラムプでローダンは遂に不死者の惑星の位置を突き止め向おうとするが、船に密航した遊び好きのビーバー・グッキーの念動力によって軌道を狂わされてしまう。ローダンは反省するグッキーを許し、彼を一員として認める。一行が辿り着いた惑星ツグランは偶然アルコン人の植民地星であったが、密かに謀叛を企む一派が潜んでいたのだ。
ローダン・シリーズの名場面としてブリーとグッキーの絡みがありますが、ブリーが怪しからん!とグッキーのお尻を叩いた時、グッキーはブリーを空中浮遊させ水桶に落下させて、ずぶ濡れにします。最初は幾分大人しい態度でしたが、ブリーに対しては何故か容赦しないのでした。シリアスなストーリーにコミカルな味も加えて、これからもますます楽しめるSFエンタメ小説の王道を歩み続けるでしょう。