乙一の同名小説を映画化。小学6年生のマサオは新しくやってきた羽田先生にふとしたことを切っ掛けにイジメのターゲットにされてしまう。先生、友達・・みんなから激しいイジメを受けひとりぼっちになってしまったマサオの前に不気味な姿をした“アオ”が現れる・・。
原作はすでに読んだが、非常に読みやすく衝撃的な小説だ。学校で何かあったら先生を頼るしかないが、その頼れるべき存在からイジメを受けてしまう主人公マサオ。そして心の底からムカつく羽田先生。マサオを演じる須賀健太は小説のマサオとイメージが多少違うが、子役の意地で見事な演技。羽田先生を演じる城田優は原作のイメージとピッタリ。小説から飛び出して来たような憎たらしい羽田先生を演じきっている。注目のアオはまさかの谷村美月。これには驚いたが、意外性を求めるならこれもアリかと思う。
問題は本作のイジメの描き方である。イジメというものは唐突に始まるものではない。少しずつ周りとの関係が遠くなっていき、お互いの意思疎通が無くなってしまった時に初めてイジメは起きてしまうのである。しかし本作のイジメの描き方はそうではない。いきなり周りの友達すべてが敵になるのである。リアル感ゼロ。原作にあったイジメのリアルさがまるで描かれていないのである。
配役は頑張ったと思うし、羽田先生のストーリーをさらに掘り下げたのは正解だったと思う。しかし演出のレベルが低い。原作ファンには賛否両論な作品かもしれない。