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死と身体―コミュニケーションの磁場 (シリーズケアをひらく)
 
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死と身体―コミュニケーションの磁場 (シリーズケアをひらく) [単行本]

内田 樹
5つ星のうち 3.8  レビューをすべて見る (8件のカスタマーレビュー)
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商品の説明

出版社/著者からの内容紹介

武道から現代思想まで、「話を複雑にすることでわかりやすくする」ウチダ先生の、今度のテーマはコミュニケーション。

「どうして『死と身体』がコミュニケーション論になるの?」と疑問をもった瞬間、あなたは既にコミュニケーションの中にいる、っていう話です。

人がケータイを手放さずネットショッピングにはまるのは、それが5万年ぶりの沈黙交易だからだと喝破し(p.223)、なぜ「英霊を賛美」してはいけないかをレヴィナス、ラカンを引いて論を立て(p.228)――と絶好調。

「着眼点のとんがり具合は、ここ数ヶ月でいちばん」(04.6.24.Web日記)と自負する、著者新境地の一冊です。

内容(「MARC」データベースより)

人間は、死んだ者とも語り合うことができる。「ことば」の通じない世界にある「死」と「身体」こそが、人をコミュニケーションへと駆り立てる。なんという腑に落ちる逆説! 教科書には出ていないコミュニケーション論。

登録情報

  • 単行本: 242ページ
  • 出版社: 医学書院 (2004/09)
  • ISBN-10: 4260333666
  • ISBN-13: 978-4260333665
  • 発売日: 2004/09
  • 商品の寸法: 20.6 x 14.8 x 2.4 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 3.8  レビューをすべて見る (8件のカスタマーレビュー)
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26 人中、24人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By モワノンプリュ VINE™ メンバー
形式:単行本
 著者は本書とほぼ同時期に『死者と他者』を出版している。当然ながら主題も共通部分が多く、いずれも読ませるのだが、私としてはどちらかと言えば本書の方をお薦めしたい。それは、本の成立経緯にかかわっているように思う。
 著者あとがきを信じるなら、本書は版元編集者がでっち上げてしまったものらしい。著者が仕事を断った(つもりだった)のに、カルチャーセンターでの著者の「身体論」講演に編集者が通ってきて録音機を回し、著者が「いったい何をしているのかと訝しんで」いるうちに「さあ、原稿が揃いました」と宣告されてしまったそうで、「いったいいつのまに私は一冊本を書いてしまったのであろう」などと狐につままれたような気分でいたらしい(p242)。
 『死者と他者』の稠密な文体からは、著者が執筆に精魂を傾けた様子が伝わってきたし、縫い目の見えぬほどに滑らかで美しい物語を紡いでいるとも思うのだが、同時にナルシス的な閉鎖性をも感じてしまう。対して、本書はまさに他者が作り上げた書物であり、著者を不意打ちしている感触がある。著者の主張からしても、本書のほうがコミュニケーションのあるべき姿ということになるのではないか。無防備な言葉を拾い上げた結果、かなり独りよがりで杜撰な(と私には思える)論も散見されるけれど、それはそれでいいのではないか。
 個人的には、まえがきp32辺りの「夢の文法」に絡めた議論が興味深かった。すなわち、私たちは「まだ人間でない状態」と「人間になった状態」との間で日々往還を繰り返しており、「人間はそのつど人間として再生する」という仮説。
 ただし私は基本的にはこの著者を「おじさん的ロマン主義者」と位置づけており、読みはするし面白く感じつつも、距離は保ちたい。
このレビューは参考になりましたか?
28 人中、25人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By ソコツ トップ100レビュアー VINE™ メンバー
形式:単行本
「人間は、死んだ者とも語り合うことができる。」帯にもあるこのイキなフレーズを、リフレインしながら読んでいきました。おもしろかった。人間は、何の目的もなく、ただ「他者」とコミュニケーションしたいから、それだけの理由で、コミュニケーションする生きものなんだ、といいます。だから「葬儀」や「追悼」てのは、まさに人間であるがゆえの行為に他ならない、と「深い」お話もあれば、これと同じく、ケータイで「無意味」なメールを交換しあう若者も、実に人間の本性にしたがっているのだから、大人がケチをつけるのはどうかと思う、という「浅い」ネタも入ります。どちらも、納得。
哲学者・思想家たちの読み方も、ふるっています。たとえば、レヴィナスの文章がわかりにくいのは、あれは「身体の水準で生起していることば」でものを言おうとしているからだ、といい、ラカンの講義が難解すぎるのは、実は「幽霊」について遠まわしに語っているからだ、などと、真面目に説明します。この延長上に、「現象学」はすべからく「幽霊」研究だ、という素敵な結論が導かれるのですが、他の専門家の方の意見を聞きたいなあ、と思うところです。
あと、最後の方で、「アマゾン」は本屋版の「沈黙交易」だ、というシャレた妄想が語られています。これまた、自分の世界に対する接し方を少し変えてくれる、楽しいお話でした。
このレビューは参考になりましたか?
26 人中、23人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By daepodong VINE™ メンバー
形式:単行本
 最近、著者の本が大量に出版されているが、その中では本書が一番内容的に優れていると思われる。その理由は、他はほとんど対談本であること。別のレビューで書いたが、内田樹は本当に対談がヘタだ。ほとんど相手が何を話しているかということに注意を払わず、自分の興味・関心の枠内でしか話をしない。独演会になってしまうこともしばしばである。もうひとつ、レヴィナス・ラカン本は、両者に興味のない読者にはあまり得るところが少ないからである。そういう意味では、本書はさいきん著者が力を入れている武道論・身体論に繋がる内容で、かつ正真正銘の独演会である。そういう意味では内容はある程度保証されたようなものである。
 しかしながら、近年の内田おじさんの発言はだいぶパターン化されてきた。本書も例に違わず、従来のおじさんの主張の繰り返し、または主張の延長上で容易に導き出せる話が大半なのだ。というわけで、彼の以前からの読者にとっては、それほど目新しい内容というわけではない。
 しかし、わかっていても、「何か面白いことを言ってくれるだろう」と手に取ってしまうのがファンというものである。同じ内容といっても表現が少しずつ違っていたりするのでそれなりに楽しめる。むしろ、今のところはじめておじさんの本を手に取る読者の方にはよいのではないか。
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