本書には、特に李氏朝鮮時代について、興味深い話がたくさん出てくる。
中国で、朱子学を奉じない清王朝が中国を統一したとき、朱子学派の王朝=明の後継者を自認して、清を攻めようとしたとか、
国王の母が亡くなったとき、国王の服喪期間を1年にするか3年にするかにつき、お互いに古の文献を引用しながら言い争い、ついには別派閥になってしまったとか、
仏教が厳しく弾圧され、僧侶が賤民扱いされていたとか(高麗時代に仏教が保護されていたことの反動らしい)、
朝鮮は、日本の隣国ではあるけれど、日本とは全く異なる歴史を歩んできたのだなあと感じさせる。
朝鮮半島の歴史は、隣国の歴史でありながら、意外と知られていない。
にもかかわらず、朝鮮半島の通史を取り扱った本は多くない。
その意味で、本書は、貴重な存在である。