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歴史哲学講義 (上) (岩波文庫)
 
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歴史哲学講義 (上) (岩波文庫) [文庫]

ヘーゲル , 長谷川 宏
5つ星のうち 4.7  レビューをすべて見る (13件のカスタマーレビュー)
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商品の説明

出版社/著者からの内容紹介

「理性が世界を支配し,したがって世界の歴史も理性的に進行する」との確信に基づき,世界精神の理性的かつ必然的な歩みとしての世界史を構想する. --このテキストは、絶版本またはこのタイトルには設定されていない版型に関連付けられています。

登録情報

  • 文庫: 363ページ
  • 出版社: 岩波書店 (1994/6/16)
  • ISBN-10: 4003362993
  • ISBN-13: 978-4003362990
  • 発売日: 1994/6/16
  • 商品の寸法: 14.8 x 10.6 x 1.8 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 4.7  レビューをすべて見る (13件のカスタマーレビュー)
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13 人中、12人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By dvrm トップ100レビュアー
形式:文庫
 本作はヘーゲルの死後に纏められた「歴史哲学」についての講義録のようで、「精神現象学」では内面の弁証法的運動を説明する際に一つの隠喩として機能していた歴史の発展図式を全面的に話題の中心に取り上げている。上巻では、序論と第一部・東洋世界を収録。

 序論では、歴史のとらえかたの三つの型を明らかにし、この著作では哲学的な歴史、理性が歴史において、歴史を通じて弁証法的運動を経て発展していく様をとらえていくことを示す。以下、歴史における理性についての内実、世界史の原理・起源・発展法則、世界史に関わる地理的な要素、世界史の時代区分がそれぞれ確認され、以下の論述の準備と予告の役割を果たしている。

 第一部・東洋世界では、中国・インド・ペルシャそれぞれの地域の国家形態と機能、宗教などと人々の内面状態についての分析がなされている。

 読み進めていくと、すぐに気になってくるのがアジア・アフリカ地域に対する露骨な蔑視の姿勢だ。レヴィ=ストロース「野生の思考」やエドワード・サイード「オリエンタリズム」などを通過している現代からこの著作を読めば、どう読んだとしても納得できない記述や種々の偏見が目に付くのをごまかすわけにはいかなくなる。時代的な制約、と言ってみることもできるが、ヘーゲルに時代的に先行するモンテスキューの「法の精神」では本書に見られるような偏向が遥かに弱いのを見ると、単純に時代的制約が原因と納得することは出来ない。

 どうもこんな風な記述になったのは、下巻にある訳者の解説によると、ヘーゲルの議論がヨーロッパ近代の卓越性という結論ありきで始まっているからのようだ。答えが先取りされていることが、途中の議論をある種強引に進める原因になっているということ、これなら納得できるし、このメカニズムはいわゆる「オリエンタリズム」に内在しているロジックの典型でもある。

 しかしながら、この著作は非常に意義のあるものだと思う。それは、ここに記述されている内容を問い直すことによって、以後の哲学や社会科学は発展していったことが、読み進めるごとに想起できるからだ。フォイエルバッハへ、マルクス・エンゲルスへと広がる道、ニーチェへと広がる道、キルケゴールへと広がる道、ハンナ・アレントへと広がる道、人類学への道、社会学への道など、思いつくだけでも数々の道がヘーゲルから分岐している。その意味で、後の人々の問題意識を引き出すはたらきをした書物群の一つとして必読の書だと思う。
このレビューは参考になりましたか?
41 人中、32人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
形式:文庫
歴史哲学は一般に評判が悪く、研究者からはあまり評価されていませんが、若い時から歴史哲学の書を著した、現在最高のヘーゲル翻訳者の手にかかると、ヘーゲルの重要な思想がくっきりと浮かび上がってきます。訳の質は文句のつけようがありません。あるとすれば解釈の違いです。序論から:

「精神とは内部に中心点をもつもののことです。・・・物質の実体は物質の外部にあるが、精神は自分のもとで安定している。それこそがまさに自由です。わたしがなにかに従属しているというとき、わたしは、自分でないなにかと関係し、外部のなにかなしには存在できない状態にあるのであって、自由であるのは、自分のもとにあるときです。精神がこのように自分のもとにあるとき、精神は自己を意識する自己意識です。意識には二面があって、意識のはたらきと意識の対象が区別されねばなりませんが、自己意識にあっては、この二つが一体化している。なぜなら、精神は自分を意識し、自分の本性を判断し、同時に、自分にむかって自分をうみだし、本来の自分にかえっていく活動をおこなっているからです」

「情熱や特殊な利害にもとづく目的や私欲の満足は、この上なく強力なものです。・・・法や道徳がそれらを一定の枠にはめようとしても、それをまったく無視するからであり、こうした暴力的な自然感情のほうが、秩序や節度、法や道徳にむけての人為的で手間のかかる訓練よりも、人間にはずっと身近に感じられるからです」

精神の本質を自由に見、つぎに精神現象学の中心をなす自己意識を簡潔にのべ、一方、その根底にある、共同体意識に根強く抵抗する人間の自然の感情を強調し、自由の本質を構成するこうした情熱や私欲をも熱っぽく語っています。これがどのような形をとって現象するのか語るのが歴史哲学です。

最後に、和辻の風土論に代表されるような、民族の地理的制約を語り、新大陸のアメリカを「未来の国」として位置づけています。

このレビューは参考になりましたか?
10 人中、8人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By θ トップ1000レビュアー
形式:文庫
まず大変に訳がよくて、すいすい読める。

タイトルに「歴史哲学」とあるので、当然哲学的な本だと思っていたが、ところがどっこい。

「歴史哲学」をしているのは、「序章」の100ページちょっと。残りは「ギリシャ」「東アジア」など、世界史の話になっている。

歴史哲学だけ知りたい人は、ボリュームに身構えることなく、気楽に読んでもらいたい。
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投稿日: 2005/7/22 投稿者: 教育学部。
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