これはハマった。明治以来の日本野球の重大事件をコンパクトにしっかりと纏めている。
新聞紙面を模し、その年に起こった野球関連のニュースを、重大なものはトップで大きく、ささやかだが忘れてならないものは3行記事風に、ときには4コママンガや囲みコラム風レイアウト、さらには記事下広告まで駆使して、過不足なく網羅している。“見出し”の付け方にもセンスを感じる。
どうしてもプロ野球がメインになりがちだが、大事件であれば高校野球でも優先して大きく扱うなど、ネタ選びや扱い方が上手い。単に試合結果や記録達成の記事だけでなく、球団譲渡とか監督解任などの“事件”もしっかり取り上げている。
自分の記憶や印象と重ね合わせたが、価値観(≒インパクト)的にもほぼ一致し、このトピックがなぜないか、と思うことがほとんどなかった。
史料的意義もきちんと意識している。とくに、人名が初出のとき、「長嶋茂雄監督」「王貞治選手」「野茂英雄投手」と、フルネームに呼称(ときには所属球団名まで)をきちんとつけて記していて好感が持てる。達成当時は新記録でその後記録更新されたものは注釈でフォローするなど、細かい気配りも嬉しい。
重厚な年鑑やレコードブックももちろん必要だが、ちょっと記憶を辿るだけならこれ1冊で十分だ。傑作。
・・・何年か後には、記録話題を補完した“改訂版”を出してネ、とは、気が早いかナ?