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歴史の活力 (文春文庫)
 
 

歴史の活力 (文春文庫) [文庫]

宮城谷 昌光
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商品の説明

出版社/著者からの内容紹介

中国古代の思想家たちの卓越した見識を知り、それを生き抜く心の支えとした日本の各界の創業者たち。今こそ先人の英知に学ぶべし

内容(「BOOK」データベースより)

日本を代表する企業の創業者たちの言行をつぶさにみるとき、それらが中国の歴史や古典にあることとみごとに一致する。それにしても、次代の先覚者たちが、これほどまで同様の苦難を体験していようとは。歴史はまさに人生の教科書である。人間の真価が問われる今日、中国歴史小説の第一人者が「人はいかにあるべきか」を記す。

登録情報

  • 文庫: 253ページ
  • 出版社: 文藝春秋 (1996/04)
  • ISBN-10: 4167259079
  • ISBN-13: 978-4167259075
  • 発売日: 1996/04
  • 商品の寸法: 15 x 10.6 x 1.2 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 4.0  レビューをすべて見る (4件のカスタマーレビュー)
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2 人中、2人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By 私撰 綜(しせんそう) トップ1000レビュアー VINE™ メンバー
形式:文庫|Amazonが確認した購入
この本は、中国歴史小説の第一人者である著者が、人はかくあるべき、という姿を、15の章(観点)でまとめたものである。

 1.人相篇:強烈な個性をはなつ異相の人物
 2.言葉篇:ことばは、過信することなく重んじられる
 3.真偽篇:真偽を正しく知るは大いなる力
 4.才能篇:“努力しうる”才能こそ天才の本質
 5.命名篇:時間と、人に対する命名
 6.創造篇:創造力を支える実見・実用
 7.教育篇:教育により人は立つことを得る
 8.死生篇:平安な時にそなえあって天命に耐える
 9.父子篇:先達である父の教えは道理にかなう
10.人材篇:人材の登用が明暗を分ける
11.先覚者篇:非凡を転じて先覚者となる
12.哲理篇:正しい生き方の知恵
13.貧富篇:謙虚にして冨のなんたるかを知る
14.信用篇:窮地から救ってくれるものは信用
15.観察篇:観察眼無しに人は動かせない

例えば、15篇では、リーダーの持つべき高いレベルでの観察眼について、『宋名臣言行録』から引用されている。「明なれど察に及ばず、寛なれども縦(しょう)に到らず」。これは、「物事がよく分かるが、あまり細かいことをほじくりかえしてはいけない。また、部下のミスには寛容であるが、だらしがなくなってはいけない。」という意味である。
そして、「明」のレベルを説明する例として、『説苑(ぜいえん)』から「愚公の谷」を紹介してる。これは、時の宰相の管仲が、少年に因縁をつけられて子馬を盗られた老人(愚公)の話を聞いて、世間が言うように愚かだと一笑に付すのではなく、それは老人が役所に訴え出ることを諦めたに過ぎず、つまり今役所では正しい裁判が成されていないからであると明察した話である。

この例は秀逸であるが、各篇において中国の歴史や古典の名言等から引用し解説を加えており、とても奥深いものを感じた。
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1 人中、1人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By ともぱぱ 殿堂入りレビュアー トップ50レビュアー VINE™ メンバー
形式:文庫
組織のリーダーを、人相(顔にあらわれた精神の相)、言葉(過信することなく重んじるべし)、真偽(人を見抜くことはリーダーに不可欠)等、様々な観点から論じた本。

やはり中国と日本の人物が多くとりあげられているが、例えば偽善に関して対照的にふるまった王莽と小林一三を、強烈な個性を放つ人相の持ち主として孔子、織田信長、石坂泰三、周の武王を、そして光武帝と松下幸之助の努力を、それぞれ同じ章あるいは節で論じており、縦横無尽の筆の運びに導かれて著者ならではの思考の散歩を楽しむことができる。

また、異色なのは、氏の著作では珍しく、西洋人・マキアベリとドラッガーにも触れており、著者の博識の幅の広さが窺える。

まさに温故知新、現代のリーダーの祖形は歴史の中に求められる。本格的な歴史小説を離れて、こういう息抜きの本でリーダーに求められる資質を考えてみるのも一興だ。
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By bun3
形式:文庫
ほぼ20年前に上梓された『会社人間上昇学』が文庫化されたもの。おそらく当時はバブル期の名残りを謳歌する時代。こうしたタイトル本(ノウハウもの?)が売れた時代だったろう。『歴史の活力』?何だと思って手に取って読み始めたら面白い。止まらなかった。良いリネームと思う。基本的には中国古典の知恵の光をもって、現代日本のリーダーたちを照射するという構造をもっている本だが、のみならず、人間として矜持を持って生きるとはどういうことか、よりよい人生を生きるにはどうすればよいのか、考えさせる。
一篇一篇珠玉だが、次に2篇の中から紹介したい。

<人材篇>
「『晏子春秋』に、
上士は進み難くして退き易し
その次は進み易くして退き易し
その下は進み易くして退き難し」

どこぞの国の最高責任者を思って、!膝を打つ。

<命名篇>
元号に関する話、「明治」「大正」の出典は『易経』の文節、「昭和」は『書経』の一節から。詳しくは本書に譲るが、実に元号が抽出された出典のその前後の文脈が時代相を言い当て予言していることを指摘している。
さて、「平成」はというと、『書経』と『史記』の、それぞれ古代の聖王である禹と舜の業績に関する記事からとったものらしい。著者は云う。
「両書ともに、元号がとられた文節の前後に不吉な語句はない、ただひとつの懸念があるとすれば、舜も禹も水に苦しめられた王ということだけである」
この一節に至ったとき、体が震える覚えがした。
「平成」という元号が23年前に今日の未曾有の大震災と水害を予見していたと言えまいか。とともに著者は初めてそれを指摘した人であるといえる。
古典のすごさというものはこういうことを言うのであろうか。何千年何百年もの間、人々が伝え畏んできた言葉の重み、そこから取り出し元号化した人々。歴史的典籍の力。偶然ではないのである。不思議な事である。

一篇一篇、興趣尽きない。歴史の活力、中国古典に眼光紙背、迫った著者にしか語れない諸篇、と思うとともに自身が古典から何をつかみとることができるのか、挑戦を迫る本。
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