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歴史の作法―人間・社会・国家 文春新書
 
 

歴史の作法―人間・社会・国家 文春新書 [新書]

山内 昌之
5つ星のうち 3.0  レビューをすべて見る (3件のカスタマーレビュー)

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商品の説明

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   日常的にごく当たり前に使う「歴史」という言葉。誰もが興味を持ち、知りたがっているが、あらためて考えてみればその実体は霞のようにとらえ難いのが歴史の本性だろう。研究の手法は科学のようでいて、叙述という形式は文学的でもある。そもそも、歴史とは何なのか。そして、本当に歴史に真実はあるのか。特に専門家にとって、これらは影のようにつきまとう難題に違いない。

   こうした歴史の根本的なあり方について、「人間・社会・国家」を枠組みに据えて考察したのが本書である。『イスラームと国際政治』などで知られる博学の歴史学者、山内昌之の問題意識は主に3点だ。第一は「人間の営みは歴史のプロセスの前で無力なままに消え去るだけにすぎないの」かということ。つまり、歴史学の存在意義について。第二は「歴史は科学なのか、それとも文学なのか」。第三は「歴史と現実政治との関わりについて自分の理解を整理すること」。

   著者自らが「永遠に答えの出ない大きな問い」と語っているように、本書で断定的な答えは得られない。しかし、ヘロドトスや司馬遷をはじめ、「歴史学の父」イブン・ハルドゥーン、ギボン、内藤湖南、吉田松陰など、古今東西約200人の歴史家の例を引用し、一連の営みをひも解く過程は含蓄と示唆に富んでいる。専門家の姿勢を問う内容だけあって難解かもしれないが、多くの史料を厳密に引用して語られる本書はその文体も含めて、歴史の作法と本質を学べる真摯な1冊である。(齋藤聡海)

出版社/著者からの内容紹介

歴史は「物語」なのだろうか、「科学」なのだろうか?
どうすれば歴史の真実にたどりつけるのか、どう書けば伝えられるのか? イスラム史研究の第一人者が考察する歴史学の意味と使命

登録情報

  • 新書: 264ページ
  • 出版社: 文藝春秋 (2003/10/21)
  • ISBN-10: 4166603450
  • ISBN-13: 978-4166603459
  • 発売日: 2003/10/21
  • 商品の寸法: 17.2 x 10.8 x 1.4 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 3.0  レビューをすべて見る (3件のカスタマーレビュー)
  • Amazon ベストセラー商品ランキング: 本 - 153,964位 (本のベストセラーを見る)
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6 人中、5人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
形式:新書
歴史学にとって非常に重要で基礎的なことを延々と述べている本。にもかかわらず具体例として扱っている事象は高校世界史を逸脱するようなマニアックなものであり、本書のターゲット層を今ひとつ測りかねる。文章も、端的に言って読みづらい。

ただし、ご本人の講義をテレビ等で見たことがある人なら知っているだろうが、山内氏の生の授業は大変おもしろい。なぜこれが文章にも生かされないのか、疑問である。
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4 人中、2人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
歴史とは何か 2007/3/27
By 糸音 トップ500レビュアー VINE™ メンバー
形式:新書
「歴史とは何か」

この大きな問について、日本のイスラム史の碩学がこれまでの自信の研究歴や思想遍歴を基に考察した成果がこの書である。

決して読みやすい書ではない。

文章は生硬であるし、各地・各時代の典籍を縦横に駆使し、名言を多数引用するので、一定の知識がない人は展開について行けないであろう。

「天道是か非か」

「歴史は過去の政治にして、政治は現在の歴史なり」

といったあたりが著者の主張を凝縮した言葉であろうか。

歴史とは単なる過去の事実の集積ではない。

歴史は著述であり、人を動かすものでなければ意味がない。

事実の中に価値を、意味を見いだす営為こそが歴史である。

そこには時間の流れと共に人間の意志がある。
このレビューは参考になりましたか?
16 人中、6人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
歴史の現代性 2004/1/14
形式:新書
『歴史の作法』というタイトルは、一見、歴史叙述のマニュアル書を連想させる。

しかし、細かな叙述方法に言及することはない。
歴史論文を執筆する上で心がけることについては参考になるが、
方法論ではないので、そのようなつもりで読むべきではない。

本書は、主に日本史・中国史・イスラーム史を扱う。

著名な歴史家の著作をふんだんに引用しつつ、その意義を考察している。
いわゆるヨーロッパ史は登場しないので、興味のない方は避けたほうがよい。

歴史学とは、哲学とは違い、具体性を重んじる。
そのような見解の下、内容も歴史哲学のような小難しいことではなく、
具体例で色塗られている。

少し穿った見方をするならば、歴史書の紹介本と言えなくもない。
最後の「歴史は過去の政治にして、政治は現在の歴史なり」という
山路愛山の引用がなければ、二つ星であっただろう。

歴史家は、過去にばかり目を向けるのではなく、
現代政治からもインスピレーションを受けることができるのである。

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