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歴史の中の『新約聖書』 (ちくま新書)
 
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歴史の中の『新約聖書』 (ちくま新書) [新書]

加藤 隆
5つ星のうち 4.8  レビューをすべて見る (4件のカスタマーレビュー)
価格: ¥ 819 通常配送無料 詳細
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商品の説明

内容(「BOOK」データベースより)

『新約聖書』は、キリスト教の流れの中で最も重要視されてきた書物である。しかし、この中に収められた文書を読むと、相互に対立するようなことが書かれている。この事態を理解するには、新約聖書がどのようにまとめられたのか、それぞれの文書はどのような立場から書かれたのかを考える必要がある。また、新約聖書の核にあるイエスの意義と、そのイエスが前提としていたユダヤ教の流れについて知っておくことも必要だ。歴史的状況を丁寧におさえながら読む、「新約聖書入門」。

著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)

加藤 隆
1957年生まれ。ストラスブール大学プロテスタント神学部博士課程修了。神学博士。千葉大学文学部教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

登録情報

  • 新書: 248ページ
  • 出版社: 筑摩書房 (2010/9/8)
  • ISBN-10: 4480065660
  • ISBN-13: 978-4480065667
  • 発売日: 2010/9/8
  • 商品の寸法: 17.4 x 10.8 x 1.4 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 4.8  レビューをすべて見る (4件のカスタマーレビュー)
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16 人中、15人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By ピカール 殿堂入りレビュアー トップ100レビュアー
新約聖書のみならず、ユダヤ教の成立から、キリスト教がローマ帝国の国教になるまでを鳥瞰できる。
旧約、新約聖書からの引用箇所があったり、西洋史の知識が求められるが、適宜補足や図解を交え解説してあるので分かりやすかった。
立場が中立的であることと、喩えや論理の点でも優れており、興味本位や雑学として手にしても読み応えがあると思う。

ユダヤ教の律法主義にこだわらなかったイエスの活動が、没後に弟子や政治の思惑により新たな掟として生み出され、結果的に形を変えた律法といえる新約聖書に還元されたことは興味深い。
また、最終章での権威付けについての箇所。(聖書の)内容・中身とは別に、権威を付けたいという意思が働いて、権威は造られる。これは現代のブランディングに通ずるものがあると感じた。

全体的には、素朴な疑問や矛盾を感じる点を要所でフォローされており、読者の「なぜ」「もっと知りたい」に応える文章の構成がうまい。最後まで一気に読むことができた。
このレビューは参考になりましたか?
12 人中、11人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
ズバッと明解 2010/9/17
By ソコツ トップ100レビュアー VINE™ メンバー
Amazonが確認した購入
わかりやすさにおいて群を抜いている。「新約聖書」が歴史上どのような位置にあり、またその構成はおおよそどのように把握しておいたらよいのか、爽快な見取り図を得ることが可能である。ユダヤ教からキリスト教が生まれ分離していく過程、そこでの「契約」のもつ意味、各福音書の形成と、精霊およびイエスの位置づけのなされ方の相違点、等々、たとえ話や図式を駆使して実に丁寧に解説してくれている。おそらく、専門家間の研究上はもっと込み入った議論が展開しているのだろうが、そうした重厚な細部はとりあえず脇に置き、このキリスト教の「権威」の核心をなす書物の成り立ちを知りたい人にはうってつけの好著であるといえるだろう。と同時に、この聖典がユダヤ教の律法にかわる「権威」として祀り上げられてきた歴史をかなり批判的に考察し、人間が神や精霊とともに行ういきいきとした宗教活動としてのキリスト教の原点に読者の注意を向けてみせる。入門書でありながら著者なりの神学的嗜好の提示ともなっており、とても面白く読めた。
このレビューは参考になりましたか?
12 人中、11人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By ib_pata VINE™ メンバー
 キリスト教自体、日本では最初から相対化されていますし、今の欧米社会でも、そうなりつつあります。しかし、19世紀ぐらいまでの「普遍のヨーロッパ」をつくったバックグラウンドとして、その成り立ちを理解することは、まだ重要。しかも、日本の場合、相当な知識人でも、本書の185頁にも書かれていますが、ヨハネの「はじめに言葉ありき」でキリスト教全体が論じてしまったり、ほんど読まれていないのが実態。やはり、聖書とはいっても歴史の中で生まれた文書群なので、なぜ「書かれた」のかという問題も含めて、考えたいところ。

 そうしてじっくり見ていくと、たとえば4つの福音書が強調していることは、まったく違っていて、それを統一的に理解するというか、整合性のあるものとしてとらえるのは不可能だ、ということがわかります(マルコでは聖霊を与えられていない者は否定され、マタイのイエスは単なる新しい掟の伝達者であり、ヨハネはあまりにもイエス中心主義で書かれている)。しかし、いっぱい文書が混在していて、互いに矛盾したことが書かれているという「いい加減さ」というか緩さが、キリスト教を生き延びさせてきたし、戒律といいましょうか律法でガチガチに縛るのでなく人治主義を認めていたことが、国教としても「使える」と判断されたのでないか、というのが著者の言いたいことではないかと思います。

 著者はルカが専門ですが、実はルカが福音書と使徒行伝(ルカ福音書の続編といいますか、元は一緒)で描きたかったことは、洗礼者ヨハネ、イエスから始まって使徒たちへと聖霊が次々と与えられていく登場人物たちが、ある集団(聖霊を与えられていない一般の人々)を指導する、という構造ではないか、というんです。少なくとも、それが当たり前のように描かれている、という指摘は新鮮。
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