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歴史のなかの天皇 (岩波新書)
 
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歴史のなかの天皇 (岩波新書) (新書)

吉田 孝 (著)
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商品の説明

内容(「BOOK」データベースより)

「天皇」という語が初めて使われたのはいつか。「女帝」はどのような背景のもとに登場したのか。「王統」はどのように受け継がれてきたのか。練達の日本古代史研究者が、東アジア世界との関係を視野にいれつつ、卑弥呼の時代から現代までを通観し、「天皇」の歴史をたどる。この列島の王権のありかたを考えるための基本書として最適。


内容(「MARC」データベースより)

「天皇」という語が初めて使われたのはいつか。「女帝」はどのような背景のもとに登場したのか。練達の日本古代史研究者が、東アジア世界との関係を視野にいれつつ、卑弥呼の時代から現代までを通観し「天皇」の歴史をたどる。

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5つ星のうち 4.0 天皇を通じて語る日本通史、皇室典範改正議論を考える参考にも, 2006/2/12
古代の「倭王」の時代から、現代に至るまでの天皇を、それぞれの時代の中で位置づけ、国政の中で、その役割がどう変化してきたかを記している。また、筆者は、東アジアの中で、中国・朝鮮の王権との関係のあり方や、それとの比較の中で、日本の天皇のあり方を探ろうとしている。いわば、天皇を基軸にした日本通史である。

作者がどこまで意識して書き始めたかは定かではないが、天皇を語る中で、天皇位はどのように継承されたかに触れた部分も多く、結果的に、昨年来議論されてきた「皇室典範」の改正議論を考える参考書の役目を果たしている。

歴史上は、古代には、壬申の乱を始め、皇位を巡る戦乱がたびたび起こってきたし、平安期以降も皇位を巡って権謀術数が繰り広げられることもしばしばだった。鎌倉幕府滅亡、後醍醐天皇の建武の新政、その後の南北朝時代に続く混乱も、持明院統と大覚寺統の皇位を巡る確執がきっかけだった。

本書によれば、前近代は皇位継承順位は定められていなかった。「皇室典範」は、明治憲法の制定と同時に制定され、天皇自らが制定する皇室独自の法典で、議会の関与外の法典であった。第二次大戦後、憲法改正で、象徴天皇制が導入され、皇室の私的な法としての「皇室典範」は廃止され、新たに国会の議決により定められる法律としての「皇室典範」が制定されている。

日本史好きの方は、自分の知識の整理のための格好のテキストであるし、普段は歴史に興味の無い方も、皇室典範改正議論を理解する参考書としてお勧めする。
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10 人中、6人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0 天皇を一本の流れとして追う, 2006/2/22
By ビブリオン (東京都練馬区) - レビューをすべて見る
(TOP 1000 REVIEWER)   
 古代から現代まで、天皇の歴史を、文献に基づき述べています。
 話題の皇位継承問題を予め知っていると、争点である男系の問題、女性天皇の問題、養子の問題、外戚排除の問題などが、日本史上、また人類学的にどうだったのかが随所に触れられており、格段と面白く読めます。「皇位継承のあり方」の所氏とは、イデオロギーは正反対の筈ですが、男系天皇論から見ると、さほど違いは無いように読めます。
 男系擁護論の主要根拠は、天皇は特異な霊威を始祖から直接に継承する存在であり男しかできない、また皇室祭祀は男にのみ出来るといった点です。両書ともこれらへの指摘はありますが、充分な歴史的説明はありません。

 キワモノではなく、地道な文献史学の啓蒙書として読むと、日本の天皇の特異性として、朝鮮半島・中国大陸との国際的交通で、それらの国の文化と王権とに影響されて形成された多様な重層性が論じられています。また国内では卑弥呼から始まる時の政治権力と様々な形で関わる王権の複合性が指摘されています。現代的な通説ですが、これに対応した経済的な面からの補足説明があれば、既存の説を超えてもっと判りやすくなると思いました。
 
 また著者は、日本社会の変遷を、祖先に基づく氏関係から、父と子との家関係に変わる流れから見ています。この大きな流れの中でも、天皇が現存する特殊な連続した一つの系統だということ。また非親政とか複合性とか言われるような、政権とか宗教からの距離をうまく取る王権のあり方を考えても、天皇の不思議さをすごく感じます。天皇問題は、思ったよりは奥深い、慎重にという気持ちになりました。
 
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10 人中、4人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0 孝明、明治、大正天皇はいずれも成長した唯一の男子で、しかも全員、側室の子だったとは…, 2006/2/18
By ib_pata - レビューをすべて見る
(TOP 500 REVIEWER)   
 この本の特徴としては、天皇の性格の変遷を東アジアの歴史と結びつけて、その関連の中で描こうとしている点で、それはかなり成功している。そして、著者が専門としている古代史の部分はやはり光っている。

 戦乱の中から新興宗教が生まれる例は多いが、卑弥呼の鬼道もそうしたものであった可能性は高く、アルタイ系遊牧民文化の天崇拝につながる「祭天」の記事が魏志倭人伝の中には書かれていないので、倭の文化は中国南部、朝鮮半島南部と類似していたらしい(p.21)。また、トヨミケカシキヤヒメ(持統)と厩戸皇子(聖徳太子)の関係は卑弥呼と男兄弟と同じような複式王権の特徴を示している(p.44)。

 天皇という称号を使い始めたのは天智からだが、それ以前の大王は兄弟やイトコを殺して即位することが多かったため、兄弟やイトコの支援が期待できなかったことから、大臣や大連の支持が重要になる(p.36)。倭の王権は中国王朝からの自立とともに、国内では豪族層からの自立を目指す。そのために選んだのが近親婚。異母姉妹との結婚としては敏達と推古、用命と穴穂部間人皇女。オジとメイの結婚としては舒明と皇極、天武と太田皇女・持統がある。内婚化は複式王権の伝統とも関わっていたが、これによって大王一族は豪族層の介入をしりぞけていく。そして、内婚が盛んに行われた結果、女帝が多く出ることになるが、これは男の大王を立てるのが難しい状況になったため(pp.45-)。なぜか同時期の東アジアでも新羅で三人の王女が即位し、唐でも則天武后があらわれる、なんていうあたりはなるほどな、と。
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投稿日: 2006/2/16 投稿者: 歴史マニア

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