懇意にしている編集者の方が網野さんのこれまでの網野氏の短文、対談、インタビューをまとめたもの。
網野史学の素人である自分には網野さんの背景や人の繋がりが分かって面白い。備忘録として下記を書き留めておきたい。
このように江戸までのものを正当に継承せず、いたずらに欧米に傾斜した反面で、明治のリーターたちは神話を事実とする「国史教育」を徹底してやるわけですね。
「日本」という国の名前が初めて正式に決められ、日本国が地球上に現れたのは7世紀末から8世紀初めです。だからそれ以前には「日本」も「日本人」もいないわけですし、逆にいつか「日本」という国名が変わる可能性もある。つまり国民の総意があれば変えることができるのです。そう言う意味で「日本」を徹底して相対化して教えなかった点が自己批判の一点です。それと日本は農業国であり、百姓は農民だと教えたこと、さらに日本は孤立した島国だと教えたこと。この3点を自己批判すると話したのです。(日本社会の歴史刊行を機に)
また宮崎駿監督との対談も面白い。
宮崎:百姓というのまもっと広義な意味で、そこにありとあらゆる職業を含んでいるわけですね。
網野:ええ。百姓の中には商人や職人などいろいろな生業の人がいて、農業はその中のひとるです。だから「百姓一揆」も困窮した農民が一揆を起こしたと考えるのは間違いですね。中略 秩父事件でも博打打ちが先頭に立っていたでしょう。田代栄助という総裁は博打打ちですよ。
もちろん、宮本常一氏の仕事に対する感動や思いも綴られています。