日本文化チャンネル桜の『渡部昇一の大道無門』は、CSスカパーでほぼ毎回ビデオ録画して視聴しているが、本書はあとがきによると、その対談番組の渡部氏の発言部分をまとめたもののようだ。道理で聞いたことのある情報・意見が多いと思った。しかし、こうやって改めて活字で読むとまた新たな発見や感想もあるので、読みがいは十分にあった。
何より、明快で歯切れの良い文章が、大変読み易い。活字も大きめで、高齢者には優しいのだろうが、ハードカバーの造本がやや大きめで、私のような勤め人の通勤読書には少し不便。できれば文庫か新書版が有難い。
あの朝生で昔よく見かけた憲法学者の小林 節慶応大学教授から、「ぼくは渡部先生を尊敬しております」と言われた時のエピソードなど、かなり衝撃的な内容でもあった。
また、立花隆氏とのロッキード裁判論争に関して「私はその後、立花氏がロッキード事件の「ロ」の字も口にしたり、書いたりしているのを見たことがありません。彼にとって私との論争が非常に大きなダメージになったからだと思います。」というくだりを読み、立花氏の『ロッキード裁判とその時代』や『ロッキード裁判を斬る』といったかつての代表作の一部が、久しく版元品切れとなり、今や入手難となっていることを思い合わせれば、さもありなんと感じる。