東条秀機から小泉純一郎までの施政方針演説(あるいは所信表明演説)、国会での質問に対する答弁の文の文節の長短、そして「あります」、「いたします」、「です」などの語尾の効用と使用頻度の時代的変遷が主内容となっている。
そうした中で、小泉首相が、歴代首相と比較した時に何が違うのかが割合明示されているし、書中のグラフなどを見れば一目瞭然である。
ただ筆者も前置きしている通り、国会演説が概して官僚の作文である事も、差し引いて考える必要があるだろう。
しかしながら、これまで首相の言語の特徴といった観点から書かれた書物が著しく少ない事から考えれば、この本はある種興味深い事は確かである。そして過去の膨大な発言を文節で区切り、尚且つ語尾を丹念に拾いあげるという根気の要る作業を行なった上での一冊であると推測すれば、無下にはできないと思う。