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歳月 (講談社文庫)
 
 

歳月 (講談社文庫) [文庫]

司馬 遼太郎
5つ星のうち 4.4  レビューをすべて見る (8件のカスタマーレビュー)

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商品の説明

出版社/著者からの内容紹介

卓抜した論理と事務能力で、明治維新の激動期を、司法卿として敏腕をふるいながら、非業の死をとげた江藤新平。明治6年征韓論争で、反対派の大久保利通、岩倉具視らと対決、破れて下野し、佐賀の地から明治中央政府への反乱を企てる人間江藤の面目と、その壮絶な生涯。


登録情報

  • 文庫: 729ページ
  • 出版社: 講談社 (1971/07)
  • ISBN-10: 4061310399
  • ISBN-13: 978-4061310391
  • 発売日: 1971/07
  • 商品の寸法: 14.6 x 10.6 x 3.2 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 4.4  レビューをすべて見る (8件のカスタマーレビュー)
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32 人中、30人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0 近代国家草創期の俊英, 2004/1/20
レビュー対象商品: 歳月 (講談社文庫) (文庫)
 世に西郷隆盛、大久保利通を評価する声は多く、よほどのことがない限り彼らの名を知らぬ人はあるまい。しかし、彼らとともに明治政府の足がかりを築いた「江藤新平」を評価する声はいかにも弱い。幕末維新史に関心を示す者ならいざ知らず、一般の人間に江藤の名を問うても、存じないか聞いたことがあるという程度の反応。佐賀の乱の首謀者だった人、と言ってもらえれば御の字といったありさまである。
 本書はその「江藤新平」を描いた小説である。
 司法権の独立を言い、人権定立を主張し、日本はよろしく法治国家たるべきであると説く。当時の太政官にこれほどまでにたくましい国家構想を持った政治家はなく、まさに「稀代の」と呼ぶにふさわしい人物であった。
 だが彼はその構想を完成させることなく、政敵大久保利通に破れ、乱に巻き込まれ、そして無惨にも刑死した。司馬氏はこの小説の中で江藤のそういう惨めな死を深く考察し、観察し、透明な視点で彼を描き上げている。「江藤新平」の人となりがありありと伝わって来、もちろん物語としても面白いが、歴史に興味を持って考えるきっかけにも充分なりうる名著である。
 非業の死を遂げた歴史上の人物は数あれど、どんなにか「あそこで死んでいなければ…」「あとこの点が彼に備わっていれば…」と強く思わせる人物は多くはない。読了後の感想は人それぞれと思うが、おそらくはそうした期待を込めた、でもかなわぬというやるせない思いを感じさせる人物だと言える。
 江藤を扱った本はいくつかあるが、純粋におすすめできる第一の書はこれ以外にない。司馬氏と明治に関心があるのなら、『翔ぶが如く』の前にこの『歳月』の一読をおすすめする。
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25 人中、20人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0 江藤新平の入門書として好適!, 2002/10/31
レビュー対象商品: 歳月 (講談社文庫) (文庫)
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2 人中、2人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 4.0 明治建国草創期に肥前を突出させた異人の生と死。, 2009/11/5
By 
ボヘミャー (千葉県) - レビューをすべて見る
(VINEメンバー)    (トップ500レビュアー)   
レビュー対象商品: 歳月 (講談社文庫) (文庫)
新装版上下巻になる以前の全冊版。
文庫の背が3センチ近く、700ページを超える長編。

出だしから著者の筆は絶好調で、まるで村上龍の小説のように
ぐいぐいと文章は推進し、最高の切れ味で各段の終わりがきまる。

第一章「巌頭の馬」で、
小説は主人公江藤新平の世界に突入し、
その終わりには、こう書かれる。

「男子はすべからく巌頭に悍馬を立てるべきだ」
 江藤は生涯このことばが好きであった。
 男子たる者は気の荒い馬に乗り、
 それを進めて巌頭に立たねばならぬという。
 断崖からころげ落ちるか、大きく飛躍するか、
 そのどちらかを賭けるべきだというのである。


司馬氏は、革命や戦乱といった時代が沸騰する中で、
ある種、覚めきった頭脳と自意識を持って生き、
死んでいった男が大好きであるらしく、
大村益次郎、土方歳三、この新平などを描く時、
筆は冴え渡り、小説は熱を持ち、一大ロマンとなる。

幕末の「薩長土肥」の肥前についても書かれているので、
この『歳月』を読むことで、
4つの雄藩の構造に通じることができる。

巻末に著者年譜あり。
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