『歩くアジア−東南アジアみちくさ編』(1997年)と『歩くアジア−チベット・中央アジアとまどい編』(1998年)の2冊の単行本を一冊にまとめて文庫化したもの。
飛行機を使わずに東京からイスタンブールまで行ってみようという企画。汽車やバスが中心で、厳密にいえば歩いているわけではないが、それでも地上を移動していく感覚が伝わってくる。アジアからアジアへの旅。どこまでいってもアジアである。
しかし、こうした忙しい旅は下川氏の持ち味ではないなと思う。一ヶ所に滞留したり、のんびりと地元の人々と交流したりするのが著者の魅力であり、本書のせわしなさはやや異質に感じられた。