本書は、インタビューへの回答を編者が文章形式にまとめ、安藤忠雄の校閲、加筆を経て本にされたものである。ゆえに、読者が安藤について知りたいことが、てらいなく綴られ、ページあたりの情報含有率が高い。氏の生き方から得られるものが、いつでも参照できる座右においてもいいような書である。
ここから学ばされることは、思考のブレなさ、集中度である。安藤ほど、子ども時代からブレない人物はいない。魚釣りやトンボとりをしていても、常に、「どうやったら、有効にできるか」を考え続けていたということは、いかなる状況、分野においても、頭を動かし続けることが、ブレない最良の道であることを教えてくれる。また、安藤忠雄の建築家としての強みとは、現場を徹底的に知り尽くしていることではないかとも思われる。
若者向けに語られたというが、大きな活字、ページ数の少ない本書は、人生の終盤に入ったと意識する年代の人々にこそ読んでほしい。何歳になっても、夢に挑戦し続けることが、青春である。そして青春とは、「連戦連敗」を甘受しつつも、なおも挑戦し続ける生き方のことである。