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3 人中、3人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
人物の高貴さと火星の空気感まで伝えた絵,
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レビュー対象商品: 武部本一郎SF挿絵原画蒐集〈下〉1974~1979 (単行本)
火星シリーズの挿絵で武部本一郎画伯を知りました。正義の味方はあくまでも気高く、悪者は本当に邪悪に見えて、物語の雰囲気をいっそう高めてくれた絵でした。人物も火星の都市なども、なぜか氏の挿絵には深みが感じられて、読んだ当時の子供心にぴったりとはまりました。この画集(上・下)は武部氏による挿絵原画を多数集めており、縦長の文庫本サイズの挿絵を描くことの難しさや、武部氏の伝記的な話も読めて、氏の挿絵のファンにはお薦めです。優れた挿絵というのは、物語と一体になって本の価値を高めるものだと思います。その点で、絵だけが一人歩きしてしまわない、しかし、本を読んだ人間にとっては、後で挿絵だけを見ても物語の雰囲気がありありとよみがえるというのは、最高です。 この画集は、他の方も書かれているように、原画の周囲の、本で見えることは無いはずであった余白部分も入っている点で賛否が分かれるかもしれません。しかし私は、この、原画として全てを見せる本が出たことを素直にうれしく思います。また一方、もう少し絵を選んだ選集でもよいから、ふつうの画集として、少し大判で出してくれることを願います。欲を言えば、そのときには(過去にあった画集のように)火星シリーズ第1巻表紙のデジャー・ソリスを表紙にしてくれるとよいと思います。この絵が、氏の挿絵の上質さを端的に伝えてくれるからです。
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